葬儀前後の流れを把握することが大切!お葬式の準備で実施すべきことをご紹介

2023.05.11

大切なご家族を失ったご遺族は、大きな悲しみに包まれます。しかし、葬儀の前後にはやることが非常に多く、すべてを滞りなく進めなくてはいけません。

そのため、事前に葬儀前後の流れを把握しておくことが大切です。そこで今回は、葬儀前後の流れを踏まえ、お通夜やお葬式の前後で必要な準備をご紹介します。万が一の際、慌てずに対応できるよう確認しておきましょう。

葬儀前の流れ(ご家族が亡くなった日)

ご家族が亡くなった当日から葬儀までは、さまざまな手続きが必要です。ここでは、葬儀前の大まかな流れと必要な手続きなどをご紹介します。

危篤・臨終

危篤状態になったら、まずはご家族やご親族に連絡しましょう。病院や施設によっては、危篤の連絡を受けたらすぐに駆けつけられるように、特別な部屋やスペースを用意してくれる場合があります。

危篤状態から臨終までの期間は、人によって異なり、数時間から数日、数週間という場合もあるでしょう。危篤状態が長期間続く場合は、職場や学校などにも連絡を入れておく必要があります。

なお、危篤状態でやるべきことについては、以下記事の内容もあわせてご確認ください。

関連記事:危篤とは?ご家族が実施すべき5つの準備などを紹介

ご家族が臨終を迎えたら、まずは医師に死亡診断書(左面が死亡届)を発行してもらいましょう。死亡診断書は、葬儀会社との打合せ時や火葬場などで必要な書類です。また、病院や施設で退院手続きも行わなくてはいけません。なお、ご自宅で亡くなられた場合は、かかりつけの医者に連絡します。

ご遺体の搬送・安置

次に、葬儀会社へ連絡しましょう。葬儀会社は、ご遺体の搬送や安置、葬儀の準備や手配などを行ってくれます。葬儀会社を選ぶ際には、費用やサービス内容、評判などを比較検討して決めることが大切です。

ご遺体の安置先(自宅、または葬儀会社の会館など)を決め、葬儀会社に搬送を依頼します。ご遺体を病院や自宅などから、葬儀会館や自宅などの安置場所に運んでくれます。搬送費用は、距離や時間帯などによって異なりますが、平均的には3万円から5万円程度です。

搬送前には、ご遺体のケアを行います。ご遺体のケアとは、体を清潔にすることです。病院や施設で行ってくれる場合もありますが、葬儀会社への依頼やご家族が実施することもできます。ご遺体のケアには、衣服やおむつの交換、口や鼻の清掃、髪や爪の整理なども含まれることが一般的です。

ご遺体の安置は、葬儀会館や自宅などで行います。安置場所を決める際には、故人様の意思やご家族の希望、費用や利便性などを考慮しましょう。安置場所によっては、冷却装置や霊柩車などが必要になる場合もあります。なお、ご自宅に安置する場合は、北枕で故人様お休みいただくことが習わしです。

ご遺体の安置中は、故人様と最後の別れをする機会です。ご家族やご親族だけでなく、友人や知人なども訪れることがあります。また、仏壇や神棚にお供え物をしたり、読経やお経をあげたりすることもできます。

また入院時の臨終の場合は、ご遺体搬送時、もしくは翌日に会計済ませることが多いです。

葬儀会社との打合せ

葬儀会社と打合せを行い、葬儀の日程や形式、参列者の人数、連絡先などを決めましょう。

打合せ時に決めるべき内容は、以下の通りです。

・葬儀形態(一般葬、二日間の家族葬、一日の家族葬、火葬式など)
・喪主、受付をお手伝いしてくれる方、ご遺族や親族、葬儀社スタッフの役割分担や人員の配置
・式場や火葬場の予約
・祭壇、棺、霊柩車、メイク、式場看板、バスなどの手配
・返礼品の手配
・遺影に使う写真の手配
・死亡届、および埋火葬許可申請書を役所に提出(葬儀会社が代行可能)
・埋火葬許可書の受け取り(葬儀当日、葬儀会社のスタッフから手渡される)
・戒名やお墓、納骨先の準備

ご友人や仕事関係者へ訃報の連絡

ご友人や仕事関係者へ訃報の連絡は、お通夜や告別式の日程や場所を伝えることがおもな目的です。連絡方法は電話やメール、LINEなどがあります。できるだけ早く伝えることが大切です。

連絡する際には、故人様の氏名や死因、お通夜やお葬式の日時と場所、参列の有無や香典の金額などを伝えます。また、連絡する相手に応じて、言葉遣いや内容を変えることも必要です。例えば仕事関係者には、故人様との関係や業務上の影響などを伝えます。

菩提寺と付き合いがある場合は、そちらへも連絡が必要です。キリスト教徒の場合は、神父、や牧師へ連絡します。その際、僧侶など宗教者の精進落とし(会食)の出欠可否についても確認しておきましょう。

お通夜前後の流れと準備すべきこと

お通夜当日はもちろん、前後にもやることは目白押しです。ここでは、お通夜当日、および前後に準備すべきことについてご紹介します。

お世話役の選出

当日、忙しい喪主やご遺族に代わって、お通夜の実務を取り仕切るのがお世話役です。葬儀の規模によっても変わりますが、受付や会計、接待、台所、駐車場案内などの係が必要になります。小規模の場合は、1名から3名程度でもよいでしょう。

人数によっては世話役代表(葬儀委員長)を立てます。ご親戚、会社の同僚や上司、友人の中から選ばれることが多いです。

お通夜で振る舞う料理の注文

参列者の人数が決まった段階で、お通夜で振る舞う料理の注文をします。量は少し余るぐらい準備したほうが、参列者の失礼にあたらないため安心です。お通夜のスケジュールにより、締切期日の時間が異なるため注意しましょう。

供花のご注文確認

供花の札の並び順なども、お通夜の前に確認しておきます。供花の並び方は、故人様と血縁関係が近しい方から順番に、祭壇の右上から左上にかけて配置するのが基本です。

また供花の名札は、供花の前面に見やすくつけるようにしましょう。供花の種類やサイズによっても並び方が変わる場合があります。供花の並び方は最終的に喪主が決めることになるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

お葬式の花については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。

関連記事:お葬式の花の種類とは?供花、献花、枕花などの違いも解説

返礼品・礼状の準備と確認

返礼品・礼状の準備と確認も、お通夜の準備の一環です。お通夜の参列者に対して、感謝の気持ちを伝えるため、返礼品と礼状を用意します。

返礼品は、お菓子や飲料などの日用品が一般的です。礼状は故人様と参列者の関係や、香典の有無によって文面を変える必要があります。返礼品・礼状は、お通夜の終了後に参列者に手渡すか、後日郵送するかを決めなくてはいけません。

お通夜の実施

お通夜当日における主催者側の対応や準備の流れは、以下の通りです。

・お通夜開始の1時間前には、ご遺族やご親族は控室に集合
・15分前には、ご遺族やご親族は会場内に着席し、一般参列者が続いて着席
・僧侶を迎えにいき、会場へ案内
・僧侶の読経に合わせて、ご遺族やご親族が順番に故人様の前に進み、焼香を実施
・一般参列者の焼香
・僧侶が読経後、喪主の挨拶
・一般参列者が順番に故人様とご遺族にお悔やみを述べる
・お通夜の終了後、通夜ぶるまい(食事会)を実施
・通夜ぶるまいの終了後、ご遺族やご親族は夜伽(よとぎ)の儀式を実施

なお僧侶の送迎は、ハイヤーを準備することが多いです。そのため、御車代を渡すのが一般的です。場合によっては、世話役の方が送迎することもあります。また、お葬式の事前打ち合わせを行う場合もあるでしょう。僧侶が通夜振る舞いに参加しない場合は、御膳料を渡すことも忘れてはいけません。

お通夜の流れについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

関連記事:お通夜の流れとは?意味や葬式・告別式との違いも解説

お葬式当日の流れと準備すべきこと

当日は、お葬式と火葬を執り行います。それぞれの流れについて確認しておきましょう。

お葬式の実施

お葬式は、故人様のご遺体を棺に納めた後に行われる本葬です。主催者側は、参列者の受付や案内、挨拶や礼状の準備などを行います。お葬式の所要時間は1時間程度であることが一般的です。また散会と呼ばれる、初七日法要が終わった後に行われる解散の儀式が行われる場合もあります。主催者側は、参列者にお見送りやお礼を言ったり、引き出物や香典返しを渡したりします。散会の所要時間は約30分程度です。

お葬式当日の流れは、主催者やご親族が1時間前に集合して、簡単に打合せやリハーサルを行います。式は葬儀会社のスタッフなどが司会者を担当して進行します。一般的な流れは、以下の通りです。

・開会の辞:喪主による挨拶
・読経:僧侶が経文を唱える
・焼香:参列者が順番に焼香を実施
・告別の辞:故人様との思い出や感謝の言葉
・閉会の辞:喪主によるお礼
・送別:故人様のご遺体を棺に納めて、ご遺族は最後にお別れの挨拶などを行い霊柩車(寝台車)で火葬場へ出棺

お葬式の流れは、故人様やご遺族の希望によって変更もできます。司会者は、式次第に沿って進行するだけでなく、ご遺族や参列者の気持ちを汲み取って臨機応変に対応することが大切です。

なお、上記で紹介したのは一般的なお葬式の流れです。近年、増加傾向にある火葬式や1日葬の流れと出棺におけるマナーについては、以下の記事でご確認ください。

関連記事:火葬式(直葬)の流れとは?メリット・デメリットや火葬場の選び方も紹介

関連記事:近年、増えている一日葬とは?大まかな流れやメリット・デメリット、費用相場などを解説

関連記事:出棺とはどのような儀式なのか?流れやマナーなどを解説

火葬

火葬場では、僧侶や葬儀会社の案内に従って、ご遺族やご親族が故人様と最後のお別れをします。火葬に必要な時間は1時間程度です。

火葬が終了した後の骨上げでは、喪主から血縁関係の深い順番に2人1組で同じご遺骨を挟んで拾い、足先から順番に骨壷に納めていきます。地域によっても風習が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

事前に分骨を希望しておけば、分骨用の骨壷を用意してもらえます。骨上げ後に受け取る埋葬許可書は、ご納骨時に必須の書類となるためしっかりと保管しましょう。
分骨後の納骨場所が異なる場合は、火葬場から発行される分骨証明書が必要です。

お骨上げの詳細については、以下の記事でご確認ください。

関連記事:火葬時のお骨上げのマナーとは?地域によって異なる場合も

葬儀後の流れと実施すべきこと

お通夜やお葬式が終わった後も、実施すべきことが多くあります。心身ともに疲れている状況だと推察されますが、速やかに実施しなくてはいけません。ここでは、葬儀後に実施すべきおもな手続きをご紹介します。

なお、今回紹介するもの以外にも、多くの調整事項があるため以下記事でご確認ください。

関連記事:葬儀後の手続きや優先順位とは?やることリストで滞りなく対応

葬儀や入院費用などの清算

葬儀が終わった後は、諸費用の清算や事務の引き継ぎなど早めに済ませるとよいでしょう。
世話役など、手伝ってくれた方々が支払いを立て替えている場合もあるので、その有無を確認して清算します。

通常は、病院からご遺体を引き取る際に医療費の清算を行いますが、事情があって未払いの場合は、葬儀後に支払います。近年、葬儀費用は当日に支払うケースがほとんどです。

領収書は相続控除や今後のお手続きに必要になるため、厳重に保管しておきましょう。

挨拶回り

葬儀で特にお世話になった方々には、喪主が葬儀の翌日か翌々日に出向いてお礼を述べます。菩提寺、葬儀委員長や故人様の恩人、社会的地位の高い方が葬儀に参列してくれた場合も、会葬礼状だけではなく、あいさつに行くのが古くからの礼儀です。遠方の場合は、お電話でお礼を伝えしましょう。

故人様の銀行口座の手続き

金融機関は名義人の死亡を知った段階で、その口座を凍結します。口座が凍結されると遺産分割が確定するまで、基本的にご遺族はその口座からの払い出しができなくなります。金融機関の窓口やキャッシュカードで現金が引き出せなくなるだけではなく、公共料金などの自動引き落としも実施されません。

金融機関が名義人の死亡を知るのは、ほとんどの場合、ご遺族からの連絡がきっかけです。
ご遺族から連絡がなかった場合も、新聞のお悔やみ欄や銀行の営業員が葬儀の案内を見かけた場合、自主的に名義人の口座を凍結することもあります。このケースの場合、ご遺族が知らないうちに故人様名義の口座が凍結されてしまうため注意が必要です。

故人様の銀行口座を名義変更したり解約したりするためには、多くの時間と労力がかかります。すぐに現金が必要な場合は、払戻制度の活用もできますが、被相続人と相続人全員の戸籍謄本が必要なため、やはり多大な時間と労力が必要です。万が一に備え、故人様の口座から事前に一定のお金を引き出すことや、生命保険契約を締結するといった準備をしておくことも大切でしょう。

遺産相続の手続き

人が亡くなったときから、法律上の相続が始まります。相続人が明確になっていない場合でも、故人様名義の預貯金は、民法で定められた相続人全員の相続財産となるルールです。その後、民法が定める相続割合に則って遺産分割するか、相続人全員による話し合いである「遺産分割協議」によって遺産分割をします。

そのためご遺族は、被相続人(故人様)が死亡した時点の預金残高を確定しなくてはいけません。金融機関に預貯金者が死亡した旨の連絡を入れ、故人様名義の口座がいったん凍結される流れです。

遺産相続については、以下記事の内容もあわせてご確認ください。

関連記事:葬儀後の相続手続きをステップごとに解説。遺言状の有無や種類による違いも紹介

まとめ

ご家族が臨終されたから、お葬式が終わるまではもちろん、その後もご遺族がやるべきことは非常に多くあります。そのため、事前に全体の流れを把握し、準備しておくことが大切です。

横浜市や川崎市で葬儀を行う際には、横浜市、川崎市における多くの葬儀実績がある、お葬式の杉浦本店にご相談ください。

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