出棺とはどのような儀式なのか?流れやマナーなどを解説

2022.10.05

葬儀や告別式では、出棺の儀式が執り行われます。出棺は故人様と最後のお別れになる場であるため、滞りなく進めたいところです。

しかし、出棺に立ちあう機会はそれほどないので、儀式に込められた意味や流れ、マナーについて詳しくご存じの方は少ないでしょう。そこで今回は、出棺がどのような儀式なのか、意味や流れ、マナーについて解説します。

出棺とは

出棺は葬儀や告別式の最後に行う大切な儀式です。その名の通り、故人様の棺を火葬場へ送り出します。

葬儀、告別式の終了後、棺はご遺族や参列者の皆様に見送られながら火葬場へと向かい、故人様が荼毘に付されます。ご親族や故人様と関係が深かった方は、火葬場に同行することが一般的です。葬儀、告別式の終了後、帰る方にとっては、出棺が最後のお別れとなります。

棺を火葬場へ送り出す前に、いくつかの儀式が執り行われます。

出棺前に故人様とのお別れの時間を設け、副葬品(生前故人様が好きだったものや愛用の品物など)や花などを棺の中に納め、蓋を閉じて出棺する流れが一般的です。今では少なくなりましたが、釘打ちの儀式を行っている地域もあります。

なお、火葬場や火葬式については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご確認ください。

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出棺の流れ

出棺の流れについて、釘打ちの儀式も含め解説します。出棺に至るまでの段取りがスムーズに行えるよう確認しておきましょう。

故人様とのご対面

僧侶の読経が終わり、葬儀、告別式が閉式すると、葬儀会社のスタッフが出棺に向けて準備を始めます。その間、ご親族や参列者の皆様には、式場後方や控え室にて待機することが普通です。

棺を祭壇から式場中央へ移動させ、蓋を開けます。お別れの時間は、生前の姿で故人様と会える最後の時間です。お顔に触れたり、お声がけしたりできる最後の貴重な時間になります。

お別れの花や副葬品を納める

葬儀会社のスタッフが祭壇の花をお盆に乗せ、お別れの花として準備します。故人様との関係性が近いご親族より順番に、花を手向けていくのがマナーです。(例:喪主様→喪主様の配偶者様→親兄弟の方々→お子様→お孫さん)

ご親族の後、参列者様にも花を手向ける時間が設けられます。花以外にも手向けたい品物がある場合は、このタイミングで実施することが可能です。花や副葬品の手向けが終わると棺の蓋を閉じます。

なお、お別れの花は参列者の皆様に、故人様の顔周りを中心に体周り、足元へ切花を手向けることが一般的です。今までの感謝の気持ちやお別れの言葉をかけながら花を手向けることで、棺の中も華やかになり、皆様の気持ちも一緒に入れられる儀式になることでしょう。

釘打ち

現在は、釘打ちの不要な棺が普及したことや、宗派・寺院によっては行わない場合もあるため、釘打ちの儀式を省略することが増えました。また、ご遺族が石などを使用している様子が痛々しい、音が大きくて怖いといった理由によりご遺族が遠慮されることも、釘打ちを行わなくなった要因です。

釘打ちの手順は、以下の通りです。

・葬儀会社のスタッフが、棺の四隅に釘を半分ほど打ち込む
・半分打ち込まれた状態から、ご遺族が小石を使って棺の頭側から足元へ向かって、ひとり2回ずつ軽く釘を打ち込む
・最後に葬儀会社のスタッフが、釘を完全に打ち込む

故人様を霊柩車へ運ぶ

釘打ちが終わったら、ご遺族やご親戚、ご友人の男性が、棺を霊柩車へ運びます。人手が足りない場合は、葬儀会社のスタッフも手伝います。

喪主様は位牌を、喪主様に続き関係性の近い方が遺影を持つことが一般的です。僧侶に続き喪主様、ご遺影をお持ちの方という順番で霊柩車まで移動し、最期に棺を運びます。

残りのご遺族や参列者の皆様は、棺が移動されるのをお見送りします。

出棺の挨拶

棺を霊柩車に納めた後、参列者様に対して喪主様、もしくはご親族の代表者様が挨拶を行います。挨拶のタイミングは、告別式の終了後や、お別れの時間が終わった後など、さまざまです。

挨拶の内容としては、以下のようなものが挙げられます。

・会葬の御礼
・故人様と生前より親しい方に対しての感謝
・個人様との思い出
・差し支えがなければ病名や死因
・遺族への変わらない交際や支援のお願い

気持ちを込めて自分の言葉で挨拶することで、感謝の気持ちを伝えましょう。

霊柩車で火葬場へ搬送

参列者の皆様にお見送りされながら、ご乗柩し火葬場へ向います。

火葬場へは昔から、ご親族のみで向かうことが一般的でした。しかし近年は、知人やご友人も同行されることや、火葬場で読経をお願いしている場合は僧侶も同行します。

車の順番にも決まりがあるので覚えておきましょう。

・1台目:霊柩車(喪主様が同乗)
・2台目:僧侶を乗せた車
・3台目:ご親族、知人、友人を乗せた車やバス

出発する際、合図として霊柩車のクラクションを鳴らすことが通例でした。現在は、近隣の方への配慮や斎場の立地などを踏まえ、クラクションを鳴らさずに出発することが多いです。

出棺時のマナー

故人様の棺を運ぶ霊柩車を見送る際には、見えなくなるまで一礼または合掌、黙とうを続ける必要があります。これ以外にも、押さえておくべきマナーがあるので確認しておきましょう。

出棺時はコートを脱ぐ

出棺時はコートなどの上着を着用しないのがマナーです。寒い季節の葬儀に参列する際には、注意が必要でしょう。防寒対策として、カイロなどを準備しておくと安心です。

しかしながら、雪国などあまりにも寒い地域の場合は、ご遺族や他の参列者様と相談する必要があるかもしれません。

傘は黒か紺を使用する

雨天時に出棺する際、利用する傘の色は黒か紺がマナーとされています。急に天候が変わってしまった場合、ビニール傘などを使ってしまいがちなので注意が必要です。

黒か紺の折り畳み傘などを事前に準備しておくと、急に雨が降ってきたときでも対応できるでしょう。

出棺時の注意点

出棺前に、ご遺族で準備がしなくてはいけないことがあります。特に以下の2点については、できるだけ早めに調整しましょう。

火葬許可証を準備しておくこと

出棺の前に、火葬許可証を準備しておく必要があります。火葬許可書がない場合、故人様のご遺体を火葬できません。

火葬許可書は区役所などで発行してもらえるため、早めに準備しておくと安心です。なお、葬儀会社のスタッフに手続きを代行してもらうことも可能なので、相談してみてください。

火葬場への同行者人数を確認しておくこと

車が足りない場合、マイクロバスなどを準備する必要があるため、事前に火葬場への同行者人数を確認しておくことも必須です。精進落としの人数を確認する必要もあるので、こちらもできるだけ早めに確認しておく必要があるでしょう。

まとめ

出棺は、霊柩車に柩を乗せるだけの儀式ではありません。故人様への想いを込めて、お別れの時間を過ごす大切な時間です。また、一緒にお見送りをする参列屋の方々への感謝と、今後も変わらないご親交の願いを込めて挨拶をする場でもあります。

出棺は、故人様と会える最後の時間です。非常に貴重な時間であることを認識することで、より葬儀や告別式の大切さを感じられることでしょう。

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