お通夜の流れとは?意味や葬式・告別式との違いも解説

2022.03.01

お通夜は、ある日突然実施することになる場合が多い儀式です。そのため、十分な準備や予備知識がないまま、お通夜を実施しなくてはいけない方も多いでしょう。

しかしながら、故人様との最後のお別れの場となるお葬式は、滞りなく実施したいものです。そこで今回は、お通夜の流れや概要、葬式・告別式との違いなどを解説します。事前に正しい知識を身につけておきましょう。

お通夜とは

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お通夜とは、臨終を迎えたあとから葬儀に至るまでの一連の儀式をさし、故人様とゆかりのある家族や親族、知人などと一緒に過ごす場です。また、故人様のご遺族は一晩中、線香と灯明の火を絶やさないようにします。

お通夜は通常、告別式前日の夕方から夜にかけて、1~2時間程度の短い時間で実施されます。なお、お通夜は仮通夜と本通夜の2種類があり、それぞれの内容は以下の通りです。

・仮通夜:臨終を迎えた日の夜に、家族や親族のみで行うお通夜
・本通夜:故人様の知人や友人も招いて行うお通夜

お通夜を行う理由

そもそも「お通夜はなぜ行うのか?」と疑問に思われる方も多いでしょう。

辞書によるとお通夜の意味は、以下の通りです。

1:死者を葬る前に遺体を守って一夜を明かすこと
2:仏堂で終夜祈願すること

昔は人が死亡したと判断することが難しく、故人様の側で家族が一晩中見守っていたとされ、これが通夜の始まりだと考えられています。

地域によってもさまざまですが、関東では18時または19時から始まり1時間程度で終わる形式が一般的です。仕事を終えてから参列できるため、告別式には出席できない一般の方が故人様との別れを惜しむ場として行うこともあります。

一方で昨今は、防火上の理由で通夜のスタイルが変化してきました。具体的には、夜通し線香やろうそくの灯をともし続ける、従来のお通夜の過ごし方が難しくなったのです。

特に首都圏ではこの傾向が顕著にみられ、21時以降灯をともすことができなくなり、会場で付き添いをすることが少なくなりました。そのため、短時間で通夜を行う現代のスタイルに変化しているようです。

お通夜とお葬式、告別式の違い

お通夜とお葬式、告別式を混同し、違いがわからないという方も多くいらっしゃいます。
お葬式とは、葬儀と告別式を合わせた儀式です。葬儀の前に執り行われる儀式がお通夜となります。

葬儀とは宗教的な儀式をさし、神様や仏様に故人様の無事をお祈りし、送り出す場です。一方、告別式とは、故人様の家族や親戚、知人、友人などが、焼香や弔辞、献花を行って最後の別れの挨拶をする社会的な儀式です。

つまり、お葬式は葬儀と告別式を合わせた宗教的、社会的な儀式で、告別式は宗教的な要素を伴わない社会的な儀式だといえるでしょう。

お通夜の流れ

木製テーブルの上にあるスープ

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先ほど説明した通り、近年お通夜の流れが変わりつつあります。

大まかなお通夜の流れとしては、

僧侶による読経→近親者焼香→一般焼香

というパターンが一般的で、この後、参列者は遺族側がもてなす通夜ぶるまいを受けて帰宅となります。参列者は、長居せずに帰るのが基本的なマナーです。

参列者が帰ってから、近親者、お手伝いの方の食事となります。時間に限りがありますので配慮を心がけましょう。

また、通夜ぶるまいを断ることはマナー違反です。時間に余裕があれば、基本的に箸をつけることが故人様の供養にもなりますので、思い出話などをしながら故人様をしのびましょう。

ただし、お酒が入るとつい声が大きくなってしまいがちです。大切な方を亡くされた遺族の気持ちを考え、声の大きさには注意しましょう。

以下で、お通夜の準備も含めた大まかな流れを解説するので、ぜひ参考にしてください。

家族や葬儀会社などへ連絡

まず臨終を終えた段階で、家族や親戚、知人、友人、菩提寺などに訃報の連絡をしましょう。また、平行して葬儀会社へ連絡して、お通夜の準備をはじめます。

葬儀会社にはお通夜のプランや斎場の調整、スケジュール、故人様のご遺体を運ぶための寝台車の手配などの依頼が必要です。なお、訃報は電話で伝えることが多く、お通夜の日程はメールやFAXで送ることが一般的でしょう。葬儀会社によっては、メールやFAXの文面を準備してくれるところもあるようなので、事前に確認しておくと安心です。

ご遺体を安置

葬儀会社に連絡して調整した寝台車で、ご遺体を自宅や斎場、保管施設などへ運び安置します。

ご遺体の納棺は、ご遺族や親戚がお通夜の前に執り行うことが普通です。ただし、ご遺体の状態や火葬場に運ぶまでの期間に応じて、納棺のタイミングは異なります。納棺の際、ご遺族や葬儀会社のスタッフがご遺体を整え、死装束をまとわせます。副葬品を棺の中に納めるのもこのタイミングです。

なお、副葬品については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

副葬品とは?棺に入れるもの、入れてはいけないもの

お通夜の準備

葬儀会社とお通夜に関するさまざまな調整を行い、準備を進めます。受付やお花の祭壇、供花、通夜ぶるまいなど、斎場の設営などに関しては、概ね葬儀会社が行ってくれるでしょう。ただし、喪主側は葬儀会社から質問されるそれぞれの詳細について、都度判断をする必要があります。

例えば、供花を置く順番は、故人様との関係性によって変わるので、速やかに情報を整理して葬儀会社へ伝えなくてはいけません。また、返礼品の数や世話係の役割分担などの確認も滞りなく行いましょう。

なお、お通夜の世話係の役割分担は、とりまとめを行う世話係代表をはじめ、案内係、返礼品係、受付係、会計係が必要なため、お願いする方に早めに連絡を取ることが重要です。

お通夜の受付

役割分担に応じた世話係が、それぞれの配置につきお通夜を執り行います。このとき、お通夜を開始する時刻の30分前から、受付をはじめられるように準備しましょう。

受付係は受付の前列に配置され、芳名帳の記入と香典を預かります。また、芳名帳と香典を確認する会計係が、受付の後列に配置されることが一般的です。すべての参列者に抜けもれなく香典返しを送る必要があるので、香典と芳名帳の確認は慎重に行いましょう。

お通夜の開始

お通夜がはじまる10分ほど前に、葬儀会社のスタッフから斎場に集まるように指示があります。このとき参列者の席順は、故人様との関係性の深さと家族単位で決めなくてはいけません。祭壇に向かって右側の席が遺族、左側の席が知人や仕事の関係者で、それ以外の弔問客は後方の席に座ってもらうよう、世話係による調整が必要です。

世話係はすべての参列者が着席したことを確認した後、着席しましょう。その後、僧侶が入場し、葬儀会社のスタッフが開会宣言を行ってお通夜がはじまります。

僧侶による読経と焼香

お通夜がはじまると、僧侶による読経が30分~40分程度執り行われます。ただし、読経の長さは宗派などによって異なるため、30分~40分はあくまでも一般的な目安です。

その後、喪主、ご遺族、親族、弔問客の順番に焼香を行います。そのため、世話係は焼香の順番も意識して座席の配置を決めておくことが重要です。また、お通夜によっては、焼香後に僧侶の法話が行われる場合もあるでしょう。

喪主による挨拶

焼香(または法話)が終了し僧侶が退場した後、喪主による参列者への挨拶が行われます。お通夜に参加してくれたことに対するお礼や故人様の思い出、病気で療養中だった場合はそれに対する温情へのお礼などを述べることが一般的です。また、葬儀の日程もこのときに伝えておきましょう。

喪主の挨拶が終わったら、参列者を通夜ぶるまいの席へ誘導します。

通夜ぶるまい

お通夜の後、1時間程度、喪主から参列者や世話係へ感謝を伝える通夜ぶるまいという会が設けられます。故人様をしのびつつ、遺族がお酒や料理をふるまって参列者をもてなします。

喪主が時間を見計らって締めの挨拶を行い、遺族が参列者や世話係を見送りましょう。

棺守り

通夜ぶるまいが終わり遺族だけになったら、夜を通して灯明と線香の火を絶やさず故人様の棺に付き添う棺守りを行います。ただし、夜通しで行う必要があるため、ご家族の心情や体力などに配慮し、精神的、体力的に余裕のある方が対応することが望ましいでしょう。

また、翌日以降の葬儀も控えているので、適宜担当者を交代するなど体を休める工夫も必要です。

お通夜に相応しい服装

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有事の際に備え正しい知識を身につけておくことが大切

白い花が咲いている植物

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お通夜のスタイルは、時代の流れとともに少しずつ変化していますが、故人様との最後のお別れの場であることに変わりはありません。正しい儀式の流れを理解しておくことで、有事の際にも適切に対応できるでしょう。この機会にお通夜の流れを理解しておくと安心です。

ただし、マナーばかりを気にしているのもよくありません。大切な方への感謝の気持ちが一番のご供養になることを覚えておきましょう。

なお、お葬式の杉浦本店でも、故人様とのお別れの場であるお通夜や葬儀のお手伝いをさせて
いただいております。突然の訃報に「何から手をつけたらよいのかわからない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。