忌引き休暇の申請に必要な手続きとは?

2023.10.26

ご家族や身内に不幸があった際、まず葬儀の件について検討する必要があります。人がいつ亡くなるのかは誰にもわからないため、葬儀の日程が平日になることもあるでしょう。

そのような場合、葬儀に参列するためには、会社や組織を休む必要があります。このとき取得する休暇が「忌引き休暇」です。ただし、忌引き休暇の申請をする際には、さまざまな手続きを行わなくてはいけません。

ここでは、忌引き休暇の申請に必要な手続きについて詳しく解説します。

忌引きと忌中、忌明けについて

身内に不幸が起こったとき忌引きや忌中、忌明けといった言葉を聞くと思います。ここでは、それぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。

忌引きとは

忌引きとは、自身のご家族やご親戚などの葬儀へ参列するために、職場や学校を休むことです。忌引休暇は、忌引きするための制度をさします。

忌引き休暇の期間や取得可能な日数、マナー、申請方法などは、会社や学校によって異なることが一般的です。忌引きの期間は、一般的に3日間から7日間程度だといわれています。

忌中とは

忌中とは、身内が亡くなった日から四十九日目までの期間のことで、故人様の冥福を祈り、死の穢れを避けるために身を慎む期間です。この期間中、仏教では7日ごとに法要を行い、故人様の魂が来世に行けるよう供養をします。

忌中の間は、お祝い事やお祭りなどの慶事に参加しないことが一般的です。なお忌中の期間は、地域や宗派によって異なることもあります。

忌明けとは

忌明けとは、ご遺族が故人様の冥福を祈り、喪に服していた忌中を終える日のことです。忌明けには、四十九日法要を執り行い、故人様の冥福を祈ります。また、忌明け後には、香典返しを行うのが一般的です。

香典返しの詳細については、以下の記事をご参照ください。

関連記事:『香典はマナーが大切!金額の目安やマナー、書き方などをご紹介』

忌引き休暇とは

忌引き休暇とは、身内が亡くなったときに、葬儀へ参列するため会社や組織、学校を休める制度のことです。

ただし、会社や組織が忌引き休暇制度を必ず設けなければいけないという法律はありません。忌引き休暇は、会社や組織が独自に定めているものです。大半の会社では忌引き休暇の取得制度が設けられていますが、所属する会社や組織によって期間や取得条件が異なるため注意しましょう。

会社の場合、就業規則に忌引きに関する規定が記載されているのが一般的です。不幸は突然で起こる可能性もあるため、事前に確認できないかもしれませんが、忌引き休暇の申請前には確認しておきましょう。

一方、学校の場合は、生徒手帳などに忌引き休暇に関する記載があるため、学校に連絡する前に確認することが必要です。

なお、忌引き休暇の詳細については、以下記事の内容もあわせてご確認ください。

関連記事:『忌引き休暇とは?給与の有無や取得中のマナー、日数、申請方法などをご紹介』

忌引き休暇の取得可能日数

忌引き休暇を取得しようとする際には、何日取得できるのが気になるところでしょう。ここでは、会社員と学生における、忌引き休暇の取得可能日数について解説します。

会社や組織の場合

一般的な会社では、福利厚生として忌引き休暇が設定されており、会社ごとに「慶弔休暇」「特別休暇」など、呼び方や取得可能日数に差があります。忌引き休暇の取得可能日数は、故人様が何親等にあたるのかによって、会社ごとに日数が定められています。

一般的な忌引き休暇の取得可能日数は、以下のとおりです。

故人様

忌引き休暇の日数

配偶者

10日

父母

7~10日

5日

兄弟・姉妹

3日

祖父母

1~3日

配偶者の父母

3日

1日

叔父叔母(伯父伯母)

1日

配偶者の祖父母・兄弟・姉妹

1日

また、忌引き休暇の取得可能な故人様の対象は、一般的には三親等までです。

0親等

配偶者

一親等

父母・子

二親等

兄弟・姉妹・祖父母・孫

三親等

曾祖父母・叔父叔母(伯父伯母)・甥姪・ひ孫

学校の場合

学生が取得できる忌引き休暇の日数は、学校によって異なりますが、一般的には以下のように定められています。

・配偶者:7~10日
・父母・子:5~7日
・兄弟祖父母:3日

なお、土日も忌引き休暇に含まれることが一般的です。学校によっては、忌引き休暇を取得する際、証明書や連絡先などの提出が必要な場合はあります。忌引き休暇を取得する前に、校則を確認しておきましょう。

忌引き休暇の申請に必要な手続き

会社員や学生が忌引き休暇の申請をする方法は、組織ごとに異なります。また、雇用形態によって変わることもあるため、就業規則を確認しましょう。ここでは会社と学校における、忌引き休暇の申請に必要な手続きをご紹介します。

会社の場合

会社員が忌引き休暇を申請するときに必要な手続きは、以下のとおりです。

会社への連絡

忌引き休暇を取得しなくてはいけなくなった場合は、できるだけ早めの連絡をしましょう。一般的には、直属の上司や人事部へ直接口頭で連絡しますが、メールや申請書の提出を指示される場合もあります。

また、電話連絡が難しい時間帯の場合は、取り急ぎメールで連絡し、時間を改めて電話などで伝えましょう。第一報を連絡する際には、故人様と自分の関係(続柄)を伝えます。これは前述したとおり、故人様との関係によって取得できる日数が変わるためです。

忌引き証明書の取得

場合により、会社から忌引き証明書の提出を求められることがあります。忌引き証明書は、葬儀会社や寺院などに確認すると取得できるため、必要な場合は調整しましょう。

葬儀の会葬礼状や訃報、火葬許可証や死亡診断書のコピーなど、それぞれの会社や組織が定める必要な書類を確認しておくとスムーズです。

休暇申請書の提出

一部の会社では、忌引き休暇を取得する際に、専用の申請書の提出を求められることがあります。会社のフォーマットを使用するか、指示に従って必要事項を記入して提出しましょう。

忌引き期間の明示

申請時には、具体的な忌引き期間を明示して伝えなくてはいけません。忌引き休暇の1日目をどこから数えるかも重要です。故人様が亡くなった当日からなのか、翌日からなのか、土日を忌引き休暇に含めるかなどについては、会社や組織によって異なるため必ず事前に確認しましょう。

また、遠方の葬儀に参列する場合、移動日は忌引き休暇の日数に含まれないことが多いため、その場合は有給休暇の申請も別途必要です。

連絡先の提供

忌引き期間中の連絡先を提供することにより、緊急連絡があった場合でも円滑に対応できます。そのため、連絡先の携帯電話番号やメールアドレスなどを伝えておくとよいでしょう。
忌引き中に対応しなければならない仕事がある場合は、上司や同僚に相談して引継ぎをしましょう。

学校の場合

学生が忌引き休暇を申請するために必要な手続きをリストアップし、それぞれの内容を詳しく解説します。

連絡先の確認

学生は忌引き休暇を申請する前に、所属する学部・学科・専攻の教務担当者に連絡し、休暇の申請方法や必要書類について確認する必要があります。また学校によって、忌引き休暇の申請方法や期間が異なるため、事前に具体的な手続き内容を確認することが重要です。

書類の提出

学生が忌引き休暇を申請する場合、学校が指定した書類を提出しなくてはいけません。一般的には、以下の書類を準備します。

・死亡証明書
・葬儀会社から発行された訃報
・申請用紙

期間の確認

忌引き休暇の期間は、学校によって異なります。親族の場合は、3日間程度が一般的です。ただし、親族以外の場合は期間が短くなることもあるため注意しましょう。

連絡先の確保

学生も、忌引き休暇中の連絡先を確保しておく必要があります。特に、担任や指導教員からの連絡を受けることがあるため、携帯電話番号やメールアドレスなどを正確に記入しておくことが重要です。

忌中の過ごし方

忌引き期間で葬儀などの儀式が終えた後は、忌中の期間となります。忌中は故人様を偲ぶ期間であり、ご家族や親しい人々が故人様の霊を鎮めるために過ごす大切な期間です。

忌中の過ごし方は、地域や家庭の週間によって異なる場合があります。一般的な忌中の過ごし方は、以下のとおりです。

故人様を偲ぶ

忌中は故人を大切に想い、敬意を示す期間です。ご家族や親しい人々とともに故人様を偲び、心を込めて過ごしましょう。生前の写真や思い出の品を見たり、故人様との思い出話を交わしたりすることが一般的です。ご家族や親しい人々が悲しみを分かち合い、故人様を大切に思い出して過ごします。

葬儀や法要

忌中には、ご遺族が故人様の冥福を祈って喪に服し、決められた日程で法要を行います。法要とは故人様を弔う儀式のことで、仏教では7日ごとに行う「忌日法要」と、祥月命日に行う「年忌法要」があります。

なお、法要の詳細は以下の記事をご確認ください。

関連記事:『回忌法要とは?数え方や一周忌・三回忌法要の流れも紹介』
関連記事:『四十九日とは?法要の意味や必要な調整・準備をご紹介』

質素で控えめな生活

忌中はおめでたいことを控え、慎ましく静かに過ごします。また、喜び事やお祝い事の実施は避けましょう。食事も質素で控えめなものにすることが望ましいです。

仏壇や位牌の手入れ

仏壇や位牌は、故人様を供養するためのものです。ご家庭に仏壇がある場合は、安置されている位牌の手入れを行い、清潔に保つことにより故人様を偲びます。また、神様が死の穢れに触れないようにするための儀式である、神棚封じを行うこともあります。

忌明けに行うこと

忌明けとは、故人様を送り出し新たな時期に入る節目として、ご遺族とって重要な期間です。期明けには香典返しを行い、日常生活へ復帰します。また、新たな生活への節目という意味で、会食を行う場合も多いです。ここでは、それぞれの内容について解説します。

香典返し(後返し)

忌明けには、葬儀の際に受け取った香典に対して、感謝の気持ちを込めて香典返しをします。
葬儀当日に香典返し(当日返し)をしている場合は省略されますが、高額な香典をいただいた方に対しては、追加で品物をお返しすることが一般的です。

香典返しの詳細は、以下の記事でご確認ください。

関連記事:『お香典返しの金額相場とは?時期やマナー、歴史も紹介』

関連記事:『香典返しに相応しい品物とは?タブーなものも紹介』

日常生活への復帰

忌引きの期間は悲しみとともに過ごす時間ですが、忌明けを迎えることで日常生活に戻ります。葬儀を終えて出勤する際は、上司や同僚など、関係者へ挨拶をしましょう。

伝えるべきことは、以下の2点です。

・葬儀が終わったことの報告
「おかげさまで、滞りなく葬儀が終了いたしました」
・迷惑をかけてしまったことのお詫びと感謝
「皆様には仕事面で多大なるフォローをいただき、誠にありがとうございました」

お世話になった気持ちを示したい場合は、個包装の菓子折りなどを持参するのもよいでしょう。

会食や集まり

忌明け後には、ご家族や親しい人々が集まり、一緒に食事をしたり、交流を深めたりすることもあります。これは故人様を偲ぶだけでなく、遺された人々同士の絆を大切にするための場ともいえるでしょう。ご家族や親しい人々が助け合い、絆を強くしながら、これからの日々を大切に、新たな生活を始まる節目となります。

まとめ

忌引き休暇は、労働基準法などで決められている制度ではなく、会社や組織によって異なります。それぞれの規定に従って、必要な書類や手順を確認し、適切に申請しましょう。

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