香典返しに相応しい品物とは?タブーなものも紹介

2022.12.01

葬儀を実施する場合には、参列者にわたす香典返しの検討をする必要があります。香典返しの品物にはマナーがあるため、適切なものを選ばなくてはいけません。

しかし、葬儀を執り行うタイミングは急であり、かつ一生のうちに何度もあるわけではないので、香典返しに関する深い知識を持っている方は少ないかもしれません。そこで今回は、香典返しに相応しい品物と逆にタブーとされている品物などについて解説します。

香典返しとは

香典返しとは、いただいた香典に対するお返しの品物を送ることです。

香典とは葬儀の際、故人様の霊前にお供えするお花やお香に代わる、金銭や物品など贈与品をさします。もともとは、線香をお供えしたことが香典の語源とされており、日本で古くから続く習慣のひとつです。

通常、香典はお通夜や葬儀、告別式のときに、香典袋に入れて参列者が持参します。

昔は。香典を返すという風習はなかったそうです。香典をくださった相手の名前・住所・金額を香典帳に記載しておき、相手のご家庭に不幸があった際に、同じ金額の香典を届けることが、香典返しのルーツといわれています。記帳する風習は、いまだに残っています。

現代の香典返しは、忌明け(四十九日)法要を無事終えたことへの報告と、香典をくださったことに対する感謝を伝え、返礼品を送るのが一般的です。これは、仏教の教えに由来するといわれています。

忌明けは、故人様の霊が成仏する大切な日です。「香典のおかげで故人が無事に成仏できました」という感謝の印として、品物をお返しする風習が生まれました。

なお香典返しは、よく会葬御礼と混同されがちです。会葬御礼は、お通夜や葬儀に参列した方へ感謝の気持ちを込めてお渡しする返礼品のことをさします。香典をいただいていない場合でも、弔問客の全員に渡す点が特徴です。

一方、香典返しは忌明け(四十九日)以降に、香典を包んでくださった方にお渡しする返礼品のことをさします。

香典返しの相場

香典返しの相場は、いただいた香典の1/2〜1/3程度だといわれています。

半返しの目安は、15,000円程度だといわれていますが、それよりも高額になる場合には、香典でいただいた金額に応じて1/3〜1/4でも失礼にあたることはありません。

最近は、葬儀当日に香典の返礼品を贈る、即日返しが増えています。また、高額な香典を受け取った場合には、即日返しとの差額に相当する品物を、忌明け後に贈るケースも主流になってきました。

香典返しの渡し方と時期

近年は、ご親戚も友人もばらばらで遠方に住んでいることが多くなったため、香典返しの渡し方は、配送するのが一般的です。昔は、四十九日法要が終わった後、1軒ごとに香典返しを渡していました。

一方、香典返しを渡す時期は、葬儀当日に香典返しを渡す「即日返し」が一般的です。葬儀当日に香典返しが完了するため、多忙な喪主様やご遺族の負担を減らせます。

ただし、いただいた香典の金額に差があった場合でも、すべての参列者へ同じ品物を返すことになるため、ケアしたいと思われる方もいるでしょう。そこで、いただいた香典の金額が多かった参列者に対しては、後日追加でお礼をするという方法があります。

お礼を手渡しすることは、必須ではありません。状況にあわせ、適切な渡し方を選びましょう。

香典返しは、香典のお礼を伝えるものなので、数か月後や1年後など遅い時期にいただいたとしても、きちんとお礼をしたいところです。

手渡しする場合は、会葬御礼と間違われないよう、香典のお礼としてお納めくださいと一言添えて渡すことも忘れてはいけません。手渡しの場合、挨拶状は不要ですが、お通夜や告別式などで弔問客にお渡しする会葬御礼と一緒にお礼状も添えるため、事前に用意してくのが得策です。

香典返しの挨拶状に関するマナー

本来、香典返しの品物は、ご挨拶を兼ねて持参するものとされていました。配送でお届けする場合は、挨拶状を添えるのが一般的で、礼儀にかなうものとされています。

香典返しに添える御礼状には、以下のような書き方のルールがあります。

・季節の挨拶は使用しない
・句読点を使用しない
・重ね言葉や忌み言葉などは使わない
・敬語の使い方にも気をつける

それぞれの注意点を確認しておきましょう。

季節の挨拶は使用しない

香典返しに添えるお礼状には、季節の挨拶は使用しません。通常の手紙では、最初に時候の挨拶を入れます。しかしその代わりに「拝啓」「敬具」などの頭語や結語を使うことが一般的です。

句読点を使用しない

香典返しに添える御礼状に、句読点を使ってはいけません。「さまざまな法要が無事に進むように」という想いから、止めるという意味を持つ句読点は使わないことが、香典返しに添える御礼状のマナーです。

重ね言葉や忌み言葉などは使わない

「たびたび」「ますます」「次に」「また」など、不幸が続くことを連想させる重ね言葉や忌み言葉を、香典返しに添える御礼状に使うこともマナー違反です。文章を書いた後には必ずよく見直し、不適切な言葉が使われていないか確認しましょう。

敬語の使い方にも気をつける

香典返しに添える御礼状を書く場合には、自分の身内に対しては「逝去」ではなく「死去」を使用するなど、敬語の使い方にも注意が必要です。香典返しに添える御礼状には、普段あまり使う機会のない言葉が多く出てくると思います。そのため、葬儀会社などに相談しながら作成することも一案でしょう。

香典返しに相応しい品物

香典返しには「すぐ使ってなくなるものを選ぶ」「肉魚を避ける」「お酒などの嗜好品を避ける」といった最低限のマナーがあります。それを踏まえたうえで、さらに相手のためになるものを選ぶのがおすすめです。

消えもの

香典返しには後に残らない、いわゆる「消えもの」を選ぶことが基本です。香典返しには「不祝儀を残さない」という観点から、お茶、海苔などの食べ物や消耗品などが好まれます。

タオルや洗剤、石けん、寝具などの日用品を贈ることも多いです。こうしたものは日々の生活で使う消耗品なので、大量にあっても困らない定番ギフトだといえるでしょう。後に残らないため、不祝儀の贈り物としても適しています。

日用品

タオルや洗剤、陶器などの日用品も、香典返しの商品としては定番です。香典返しでよく使われる日用品には、この他にもお茶や乾き物などがあります。

ただし、必ずしも「定番のもの=人気の品」とは限りません。参列者の年齢や属性なども考慮し、最適な商品を選ぶことが大切です。

カタログギフト

最近は、香典返しにカタログギフトを贈るケースも増えています。それぞれの生活スタイルにあわせた贈り物として、もらう側が自由に品物を選べるカタログギフトは、手堅い人気商品といってよいでしょう。特に若い世代には、合理的で無駄がないため、好まれるようです。

肉や魚、お酒なども「カタログから選んでもらう場合は、タブーにはあたらない」と考えられることが多く、選択肢がより広くなります。

ただし、カタログギフトは自ら選べるというメリットはありますが、高齢の方にとっては負担になる場合もあります。参列者の年齢を基準に選ぶとよいでしょう。

香典返しでタブーとされている品物

香典返しでタブーとされているものは、肉や魚などが挙げられます。一般的に肉や魚は「四つ足生臭もの」と呼ばれており、昔から香典返しの品物には避けられています。

この他にも、お酒などの嗜好品や、慶事に使われるかつお節、昆布も香典返しには不適切です。商品券などの金券も、金額が分かってしまうためあまり好まれません。

当日返しや即日返しなど、香典をいただいた場で香典返しを渡すケースも増えてきました。そのため、重いものやかさばるものを選んでしまうと、参列者が持ち帰る際、負担になりがちです。遠方から電車や徒歩で参列してくれた場合には、迷惑になってしまうことも考えられます。

「故人が好きだった陶器をお渡しして、偲んでもらいたい」など、ご遺族側の気持ちもあるかもしれません。しかし香典返しには、できる限り小さくて軽いものを選ぶのが無難です。

まとめ

大切な方を亡くし、葬儀が終わった後も、やることは山積みです。ご家族やご親族の負担は非常に大きいでしょう。また、一生のうちに何度も経験するわけではない葬儀について、わからないことが多いのも当たり前だといえます。

本記事の内容が、香典返しの対応を適切に行う一助となれば何よりです。

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香典返しに添える御礼状はもちろん、葬儀に関することであれば、24時間365日いつでもお気軽にお問い合わせください。

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