四十九日とは?法要の意味や必要な調整・準備をご紹介

2023.05.11

葬儀が終わった後、迎える法事の1つが「四十九日法要」です。四十九日法要という言葉をご存じの方は多い一方、そのような意味を持つものなのかについては、よく知らない方も多いかもしれません。

そこで今回は、四十九日とはどのようなものかを解説しつつ、法要の意味や必要な調整や準備などもご紹介します。

四十九日とは

四十九日とは仏教用語の1つで、命日から数えて49日目に行う追善法要です。では四十九日法要とは、どのような意味を持つものなのでしょうか。ここでは、四十九日法要の意味と生まれ変わる先の世界についてご紹介します。

四十九日法要の意味

遺された私たちが「故人様の来世がより良いところであるように」と願うことが、四十九法要を執り行う意味です。

仏教では人が亡くなると、7日毎に極楽浄土へ行けるかどうかについての裁判が行われ、判決の日が49日目と考えられています。四十九日法要は、故人様が極楽浄土へ行けることを祈って執り行う法要のため、非常に重要です。

四十九日は、葬儀後に迎える大きな追善供養として位置づけられています。追善供養とは、ご遺族が善い行いをして、その功徳を故人様に振り向ける行為です。つまり、ご遺族が故人様のことを想って、日ごろからお仏壇を拝んだり、お墓参りをしたり、法要を行ったりすることをさします。それらの行いによって、故人様が徳を積み、極楽浄土に行けると考えられているのです。

また追善供養の中でも、初七日法要や四十九日法要を「中陰法要」と呼びます。中陰は「中有」とも呼ばれ「四有(しう)」の1つです。四有とは、仏教において人が生まれてから転生するまでの期間を4つに分類したもので、以下のような種類があります。

・生有(しょうう:生まれる瞬間)
・本有(ほんう:生まれてから死ぬまでの期間)
・死有(しう:亡くなる瞬間)
・中有(ちゅうう:亡くなってから転生するまでの期間)

中有では、来世の生まれ変わる先を決める審判が7日ごとに行われます。初めの7日目を初七日、次の7日目を27日、以降同様に37日、47日、57日、67日となり、最期が77日(四十九日)です。

各段階の最終時に生有へ至る(生まれ変わる)機会があり、遅くともの最後の審判(77日)までには、すべての生物が生有に至るといわれています。つまり、亡くなってから次に生まれ変わるまでの期間は、長くても49日間ということです。

生まれ変わる世界

仏教では、死んだら終わりなのは肉体であり、死んだら終わりではないという考えがあります。果てしない遠い過去から続いている永遠の生命があって、肉体が死んだ後も別の肉体に生まれ変わって、ずっと続いて行くものと考えられています。これが「輪廻転生(りんねてんしょう/りんねてんせい)」と呼ばれるものです。

輪廻転生とは「六道(ろくどう/りくどう)と呼ばれる6つの世界を、生まれ変わりながら何度も行き来するもの」だと考えられています。六道とは地獄・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)・修羅(しゅら)・人間(にんげん)・天上の6つです。私たちが今いる人間道よりも楽しいことが多く、苦しむことが少ない世界が天上道。さらに、迷いや悲しみがない、悟りの世界が極楽浄土といわれています。

四十九日を執り行う時期と数え方

四十九日法要を執り行う時期は、一般的には故人様が亡くなってから49日目です。しかし、必ず49日目に行わなければならないわけではなく、会場やご家族、ご親戚の予定が合わない場合は、他の日に変更することも可能です。49日目の当日に行うと参列者が集まりにくい場合、49日より手前、かつ49日目に一番近い土日を選ぶと集まりやすくなります。

なお、四十九日の数え方は、まず亡くなった当日(命日)を1日目として数えます。例えば、1月1日に亡くなった場合、この日を1日目と考えるため1月7日が初七日です。

例:1月1日(月曜日)に亡くなった場合
1月1日(1日目/月曜日)・2日・3日・4日・5日・6日・7日(初七日/日曜日)

これ以降は「次の日曜日が二七日、その次の日曜日が三七日……」と曜日を見ていくことにより、七七日(49日)の日にちが分かります。

なお四十九日の数え方は、亡くなった日を1日目として数えるのは一般的ですが、実は地域や宗派によって違いがあります。例えば、浄土真宗では亡くなった日を0日目として数えるため、四十九日は亡くなった日から数えて50日目です。

四十九日法要に必要な調整や準備

四十九日法要を執り行う際には、多くの準備が必要です。ここでは、四十九日法要に際し、喪主側で調整・準備すべきものご紹介します。

四十九日法要に際し調整すべきこと

四十九日法要の実施が決まったら、日程と法要を行う場所の調整が必要です。ここでは、それぞれの調整内容について解説します。

日程の調整

まず、四十九日法要をいつ行うか日程を決めましょう。本来は49日目に行うものですが、参列者が都合をつけやすい、土日などの休日に設定するのが一般的です。その場合、49日目よりも手前の日にちで設定しなくてはいけません。

また、菩提寺の都合も確認しましょう。菩提寺がない場合、葬儀会社などへ連絡し僧侶の手配をしてもらうのか、僧侶を呼ばずに行うのかを決める必要があります。

四十九日法要を執り行う場所の調整

次に自宅や寺院の本堂、葬祭ホールなど、四十九日法要をどこで行うのかを決めます。それぞれの特徴は、以下の通りです。

ご自宅

参列者がご家族だけの場合は、僧侶を自宅に呼んで行うことも多いです。使用料はかかりませんが、自分たちで部屋の清掃、僧侶の接待などをする必要があります

菩提寺の本堂

厳かな空間で供養でき、納骨まで行う際もスムーズに進みます

葬祭ホール

葬儀会社が運営しているホールであれば、スタッフが手伝いに入るため、必要な物のセッティングや参列者の誘導、僧侶の接待など任せられます。ただし、ホールの使用料とスタッフの人件費がかかります

四十九日法要を執り行うために必要な準備

四十九日法要を執り行う際には、以下の準備が必要です。滞りなく準備できるよう、事前に把握しておきましょう。

案内状の準備と送付

四十九日法要に故人様のご親戚やご友人を招く場合は、事前に案内状を送って出欠を確認しなくてはいけません。案内状は相手の都合を考慮して、法要の1か月前には送るようにしましょう。少人数の場合は電話でもよいですが、その際もできるだけ早く連絡することが大切です。

引き出物・返礼品の準備

四十九日法要に招いた方々からいただく御仏前やお供え物に対するお礼として、列席者には当日会食と引き出物を、欠席者には1か月以内に返礼品を贈る必要があります。引き出物や返礼品の金額は、いただく金額の3分の1返しや半分返しが目安です。一般的には3,000円~5,000円程度を目安に品物を用意すればよいでしょう。

引き出物や返礼品の品物は、一般的には「消えもの」が好まれます。例えばお菓子やタオル、カタログギフトなどが選ばれやすいです。引き出物や返礼品を贈る際には、封筒に「御仏前」「御供物」「御香典」「御花料」などと書いた紙を入れ、相手の住所・氏名・敬称を記した宛名シールを貼ります。

会食の準備

会食を実施する場合は、人数分の料理と会食所の手配もしましょう。会食の相場は3,000~5,000円程度です。

僧侶に渡すお布施の準備

僧侶に支払う、お車代とお膳料も含めた金額を準備する必要があります。四十九日法要で僧侶に渡すお布施の相場は、一般的には3万円~5万円程度です。ただし、お寺の格式やお付き合いの関係によっては、さらに高額なお布施を渡す場合もあります。

また宗派によっても、お布施の相場が異なることがあるため注意が必要です。例えば、浄土真宗では亡くなった日を0日目として数えるため、四十九日法要は亡くなった日から数えて50日目になります。そのため、お布施の金額も他の宗派より高くなる傾向があるようです。

数珠の準備

四十九日法要に際し、身を清めるため数珠の準備もしましょう。数珠は左手で房を下に垂らすように持つのが習わしです。合掌の際は、左手にかけた数珠に右手を添える方法と、数珠の輪の中に両手の親指を除く指を入れ、親指で挟むようにして手を合わせる方法があります。

故人様の遺影を準備

故人の面影を偲ぶために、遺影も準備しておいたほうがよいでしょう。会場に応じたサイズのものを準備する必要があります。

なお、遺影の背景については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:遺影の背景にはルールがある?おすすめの色や背景を紹介

白木の仮位牌を準備

葬儀の際、白木の仮位牌を準備した場合は、四十九日法要へ持っていきましょう。本位牌を用意された場合、白木の仮位牌は、法要後に僧侶が引き取り、お炊き上げすることがほとんどです。

本位牌の準備

購入した本位牌に、故人様の魂を入れてもらうため準備しておきます。この儀式が位牌開眼です。

位牌については、以下記事の内容もあわせてご確認ください。

関連記事:位牌の起源や種類とは?よくある質問にも回答

関連記事:葬儀の後、後飾り祭壇や白木位牌を処分する方法とは?

ご遺骨(納骨も行う場合は埋葬許可証)の準備

四十九日法要を行う場合には、故人様のご遺骨も準備しておかなくてはいけません。埋葬許可証は、葬儀で収骨を行う際、火葬場の職員によって骨箱の中に納められていることが一般的です。納骨前に骨箱を開け、書類が入っていることを確認しておきましょう。

納骨についての詳細は、以下記事の内容をご確認ください。

関連記事:納骨と埋葬は違う?!両者の違いと種類を紹介

四十九日法要を自宅で行う場合に準備すべきもの

自宅で四十九日法要を執り行う場合には、仏具の準備も必要です。葬儀の際、ご遺骨や遺影写真を安置する後飾り祭壇を用意された場合は、そちらをそのまま使用できます。

また仏壇がある場合は、一通り仏具は揃っているでしょう。もし仏具がない場合は、僧侶や葬儀会社に相談してみてください。

四十九日法要の後に執り行う法要

大きな節目である四十九日法要を終えた後、次に行う法要は年忌法要です。年忌法要とは、故人様の命日をめどに行う法要です。

毎年行われるのではなく、一周忌(亡くなって1年目の命日)、三回忌(亡くなって2年目の命日。3年目ではないので注意)の後は、7回忌(6年目)、13回忌(12年目)、17回忌(16年目)、23回忌(22年目)、27回忌(26回忌)、33回忌(32年目)と続きます。33回忌で「弔い上げ」とし、以後は個別の法要は行わないのが一般的です。

近年は、ご親族が遠方に住んでいるケースも多く、簡略化が進んでいます。ご親族が集まる法要は7回忌や13回忌で終わりとし、あとは家族だけで行うケースが増えている状況です。

まとめ

葬儀が終わって一息ついた後、すぐに法要の手配をしなくてはいけません。喪主としての手配が初めての場合は分からないことも多く、なにかと不安もあるかと思います。その場合は、葬儀を依頼した葬儀会社に相談するのが得策です。

日ごろの供養と、節目の法要を執り行うことにより、私たちから故人様へ功徳を振り分けられます。追善供養という形式で、故人様への感謝を伝えていきましょう。

横浜市や川崎市で葬儀を行う際には、実績豊富なお葬式の杉浦本店にご相談ください。横浜市、川崎市における多くの葬儀実績があります故人様やご家族、ご親族の気持ちに寄り添った葬儀プランをご提案いたします。

もちろん、四十九日法要のご相談も承ります。24時間365日いつでもお気軽にお問い合わせください。

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