初盆とは?いつ実施するのか、また新盆との違いも解説

2022.05.26

大切な家族を亡くされたご家族やご遺族は、さまざまな法要を執り行わなくてはいけません。その中のひとつが初盆法要です。

「盆」という言葉がつくことから「お盆と何が違うの?」と思われる方も多いでしょう。しかし、初盆は通常のお盆とは異なる部分が多いため、正しい知識を身につけておくことが大切です。

そこで今回は、初盆がどのようなものなのか、実施時期や初盆法要の内容、新盆との違いなどについて解説します。

初盆とは

初盆とは故人様がお亡くなりになった四十九日以降に迎える、初めてのお盆のことです。なお、初盆は「はつぼん」、もしくは「ういぼん」と読みます。

「お盆」とは、あの世に行かれた故人様の霊が、ご家族やご遺族の元へ帰ってくる日といわれています。そのため、お盆にはご先祖様や故人様を手厚く弔うための法要が執り行われることが一般的です。

本章では初盆と新盆、通常のお盆との違いを解説します。

初盆と新盆の違いとは?

初盆と似た言葉に新盆があります。結論から言うと、両者はまったく同じものです。

新盆は「しんぼん」や「にいぼん」、「あらぼん」と読み、地域によって初盆の呼び方が異なるものと覚えておけばよいでしょう。東日本では新盆、西日本では初盆と呼ぶ地域が多いといわれています。

初盆と通常のお盆との違いとは?

新盆と通常のお盆には、いくつかの違いがあります。

通常のお盆は、故人様のご自宅へご家族やご親戚が集まってお仏壇にお参りをしたり、お墓参りをしたりすることが多いです。一方、新盆は故人様がお亡くなりになって初めてのお盆ということで、供養のための儀式が執り行われる点が、通常のお盆との大きな違いといえるでしょう。

初盆ではお墓参りのほかに、法要や会食が行われることが一般的です。そのため、菩提寺から僧侶を招き読経を行ったり、かしこまった会食を執り行ったりします。

ただし、地域や風習などによって、通常のお盆でも法要を行うケースもあるため、事前にご親戚や葬儀会社などに確認しておくと安心です。

なお、通常のお盆については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。

関連記事:お盆の意味や由来とは?歴史や行事について見識を深めよう

初盆の時期について

初盆は具体的にいつ実施すればよいのかについては、故人様がお亡くなりになった時期によって異なります。初盆の実施時期について解説するので、ご自身のケースと照らし合わせて確認しておきましょう。

初盆の実施時期

初盆の実施時期は、基本的に通常のお盆と同じ8月13日~16日のところが多いでしょう。ただし、地域によって新盆の実施時期が異なる場合はあるため注意が必要です。

例えば、東京や神奈川、静岡の一部、東北地方などの場合、新盆は通常7月13日~15日、16日に執り行われます。一方、北海道や東日本の一部、関西地方、沖縄などの「旧盆」の場合は、旧暦の7月13日~15日、16日、東京都多摩地区の「勝手盆」は7月30日~8月1日、もしくは7月31日~8月2日に実施されることが一般的です。

故人様が住んでいる地域の初盆が実施される一般的な時期については、必ず事前に確認しておきましょう。

初盆近くに葬儀を行った場合

初盆に近い6月や7月に葬儀を行った場合、初盆を執り行う時期に注意が必要です。

まず、6月に故人様の葬儀をおこなった事例について解説します。

例えば、6月27日に葬儀を実施した場合には、四十九日が8月14日となるため、初盆の期間に該当します。この場合には、四十九日法要と初盆の法要を一緒に執り行うか、四十九日法要だけ執り行い、新盆は翌年に実施するという2つのパターンが考えられるでしょう。

前者の場合は1日で実施できればよいのですが、2日間にわたる場合、参列者様が忌引きを2日間とらなくてはいけない可能性があります。また、短い期間で2つの法要の準備をしなくてはいけないため、非常にあわただしくなる点もデメリットです。

したがって、どちらの方法で実施するかについては、ご家族やご親戚、菩提寺とよく相談して決めましょう。

一方、7月に故人様の葬儀を行った場合には、新盆の時期ではまだ四十九日に達していないため、新盆の法要は翌年に行われます。

初盆の準備

初盆法要を執り行うためには、事前準備が必要です。どのような準備が必要なのか解説します。

初盆法要の場所と日程を調整

初盆法要は、ご家族やご親戚などを集めて、僧侶による読経やお焼香、会食に参加してもらう必要があります。そのため、まず初盆法要の実施場所と日程の調整が必要です。

初盆法要の実施場所は、故人様のご自宅や斎場、菩提寺、ホテルなどの選択肢があります。一方、初盆法要の実施時期については、多くの方が来やすい週末などを選ぶことが望ましいでしょう。

初盆法要は参列者の人数や実施する場所によって、大きく予算が変動します。事前に、ご家族やご親戚とよく話あって、どのような初盆法要を行いたいか決めておきましょう。

菩提寺へ連絡して僧侶の予定を確認

初盆法要の場所と日程が決まったら、次は菩提寺へ連絡して僧侶のスケジュールを押さえます。お盆のシーズンは菩提寺の繁忙期にあたるため、初盆法要の日程が決まったら、できるだけ早めに菩提寺へ連絡しましょう。

参列者のリストアップと連絡

参列者をリストアップし案内状を作成します。案内状は「出席」「欠席」の旨が分かるように表記した往復はがきにするのが基本です。

また、出席者の数にあわせて返礼品や会食の準備が必要なため、案内状を送りっぱなしにしてはいけません。一定期間内に返信がない方には、電話などで出席の可否を確認しておきましょう。

返礼品と会食の準備

初盆法要の参列者には、返礼品を渡す必要があります。返礼品にはお菓子やタオル、お茶などが選ばれることが一般的で、3,000~5,000円程度が相場です。

また、初盆法要後には会食も行なわれますので、そちらの事前準備も早めに進めなくてはいけません。ご自宅で会食を行う場合には、ご家族の方が準備するか仕出し屋さんへお願いすることが一般的です。菩提寺の会場やホテルなどで実施する場合は、そちらへ手配する必要があります。

初盆に必要な道具の準備

初盆法要を執り行う際、必要になる道具の準備もしておきましょう。具体的には、仏壇へのお供え物と提灯の準備が必要です。

初盆法要の際、仏壇へ供えるお供えものは、きゅうりの馬とナスビの牛が基本で、これに加えお米やそうめん、野菜、果物、お菓子、花、ほおずきなどを飾ります。なお、きゅうりの馬とナスビの牛には、ご先祖様や故人様があの世から馬に乗って帰ってきて、帰りは牛に乗って帰るという意味が込められているそうです。

一方、初盆法要の際には「ご先祖様や故人様が迷わずにご自宅へ戻ってこられる」という意味を込めた提灯を準備します。ろうそくを使った提灯が正式なものですが、最近は住宅事情なども踏まえ、電気式の提灯を使う方が増えました。

僧侶へのお布施の準備

初盆法要では菩提寺の僧侶に読経をしてもらうため、お布施を支払う必要があります。お布施の相場は、10,000円~30,000円程度が一般的です。ただし、地域などによってお布施の価格は変動するため、事前にご親戚や葬儀会社などに確認しておきましょう。

また、遠方から僧侶に来てもらう場合には、別途お車代として5,000~10,000円程度を準備しなくてはいけません。

初盆の流れ

初盆法要のおおまかな流れを解説します。初盆法要の当日以外にも実施するべきことがあるので、ここで確認しておきましょう。

迎え火

初盆の初日にあたる8月13日には、迎え火と呼ばれる火を焚きます。迎え火を行って、ご先祖様や故人様の霊をご自宅へ招きいれます。

13日の日中は精霊棚の飾りつけやお供え物の準備、お墓の手入れや掃除などを行って過ごすことが一般的です。夕方になったら盆提灯を準備し、松の割り木などで迎え火を焚きましょう。ただし、マンションなどの場合、実際に火を焚くのは現実的ではないので、電気式やローソクなどを使った盆提灯を代替品として使います。

初盆法要

初盆の中日に該当する8月14日、15日には参列者全員で法要を行い、終了後に会食を行うことが一般的です。

なお、初盆法要当日の流れは、以下のようなケースが多いでしょう。

・僧侶による読経
・お焼香
・お墓参り
・会食

送り火

お盆最終日である8月15日、16日に、ご先祖様や故人様の霊を送り出す意味で行う儀式が送り火です。夕方まではお供えやお祈りなどを行い、夕方になったら送り火を焚きます。なお、送り火を焚く際には、一緒に白提灯を燃やすことが通例です。

まとめ

故人様がお亡くなりになった四十九日明けのお盆が、初盆と呼ばれています。初盆には法要や会食を行う必要があるなど、通常のお盆とは異なる部分があるので注意が必要です。

参列者が多くなることも予想されるため、初盆法要の準備には早めにとりかかりましょう。また、初盆法要を行うにあたり、不明な点がでてきた際には、ご親戚や葬儀会社などに相談するのがおすすめです。

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