七回忌法要はどのような儀式?必要な準備や服装、お布施の相場などを解説

2023.10.06

数年に1度、執り行われる法要の1つが七回忌法要です。四十九日や1年忌法要の実施から、数年経過した後に執り行う法要のため、どのような儀式なのかがわからない方も多いでしょう。

そこで今回は、七回忌法要がどのような儀式なのか、必要な準備や服装、お布施の相場などについて解説します。また、仏教における法要の意味についても掘り下げているため、ぜひ参考にしてみてください。

七回忌法要とは

七回忌法要は、故人様が亡くなってから満6年目の祥月命日(しょうつきめいにち:詳細は後述)に執り行われる法要です。七回忌とは、亡くなってから6年後の祥月命日のことで、亡くなった日を1回目の祥月命日としてカウントします。

七回忌法要の流れ

七回忌法要は、比較的小規模で営まれる点が特徴で、一般的な流れは以下のとおりです。

・ご家族、ご親族が会場に集合
・僧侶、ご家族、ご親族が着席
・法要開始
・僧侶による読経・焼香
・ご家族、ご親族による焼香
・僧侶による法話
・法要終了
・お斎(会食)
・解散

七回忌法要は、仏教が日本に伝来した以降に生まれた儀式であり、地域や宗派の習わし、寺院や家族の意向によって異なる場合もあります。また七回忌法要は、僧侶に依頼し法要を営むことが一般的です。

浄土真宗における七回忌法要

浄土真宗は他の宗派とは異なり「南無阿弥陀仏」と唱えることで、阿弥陀様が亡くなった方をすぐに浄土へ連れていくため、忌日法要、年忌法要、お盆、お彼岸などの追善供養が不要だといわれる宗派です。

浄土真宗において、儀式として法要を執り行う理由は、仏法に触れる機会を持つためです。また、遺されたご家族が区切りを持ちながら、故人様を偲ぶ日としての大切な役目もあるでしょう。

忌日法要と年回忌法要

法要には忌日法要と年忌法要と2種類の法要があります。七回忌法要は年忌法要です。ここでは、ここでは、それぞれの法要について解説します。

忌日法要(きじつほうよう)

法要の中で、よく耳にするのが初七日法要と四十九日法要だと思います。これらの法要は忌日法要です。亡くなられた日を1日目と数えて、最初の7日目を初七日、7回目の7日が四十九日(七七日・なななのか)です。

亡くなられた方は7日ごとにさまざまな仏様の教えを請い、十王の審判を受けながら旅をするといわれています。そして、7回目の7日を終えられたときに、成仏するそうです。

初七日のあとには二七日(ふたなのか)、三七日(みなのか)……、と旅は続くのですが、旅の始まりの7日と終わりの7日を、特に大切な日として僧侶からお経をいただき、故人様の供養を行う儀式が、初七日法要と七七日忌法要です。

極楽浄土への旅路が穏やかであるように、無事に旅を終えることができるように、また、仏教における輪廻転生の考え方から「故人様がより良い場所に生まれ変われますように」という願いを込めて追善供養を執り行います。

追善供養

追善供養とは、読んで字のごとく「追って善い行いをする」供養です。亡くなった方は、自分では何も行えません。そこで、故人様に代わり、遺された縁ある方々が善い行いをすることによって、それが故人様の功徳につながるという考え方です。

お経をあげるだけではなく、怒ることなく穏やかな気持ちで人に接し、物や人を大切にするといった善行も追善供養になります。

忌日法要の最後は、百箇日法要です。卒哭忌(そっこくき)とも呼ばれ「嘆き悲しむのはこの日までにしましょう」という区切りの日といわれています。「大切な人を失ったのだから、100日くらいの間は、嘆き悲しみ慟哭するのも仕方ないが、これを1つの区切りとして前を向いていきましょう」という意味を持つ法要です。

年回忌法要(ねんかいきほうよう)

百箇日法要の次に行われるのが、一周忌法要です。一周忌法要の後、忌日法要から年回忌法要へ変わります。年忌法要は一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌……、と続きます。

仏教における3と7の意味

3と7は、日本の仏教では特別な数字とされています。3には2の概念を超えるという意味があるためです。

「有・無」「勝・負」「表・裏」「損・得」「高・低」など、両極端に偏ってしまう考え方を超えて、第三の道である中道を生きることが、仏教では悟りを開くことと同義です。そのため、2を超越した3が、大切な数字と考えられています。

一方、7には6を超えるという意味があります。

仏教には「六道」という考え方があり、輪廻転生において、人は今生のそれぞれの業により、死後に住む世界が決まるという考え方です。六道は迷いのある世界であり、亡くなった方は以下6つの世界の輪の中をぐるぐると回ります。

・地獄道:苦しみだけの世界
・餓鬼道:いつも飢えや渇きに苦しむ世界
・畜生道:欲望のままに貪り生きる世界
・修羅道:怒り争うことばかりの世界
・人間道:いろいろな経験をし、いろいろな心を持つ世界
・天道:喜び、楽しみはあるが、それをいつ失うのかという恐れを捨てられない世界

六道を越えて、この輪から抜け出すことを解脱と呼びます。仏教では解脱することによって、すべての迷いと煩悩から解放されるといわれています。

7には「六道を越えられるように」との願いが込められている、特別な数字といえるでしょう。(諸説あります) 

年忌法要の数え方

人が亡くなってから1年経った祥月命日に執り行われる法要が、一周忌法要です。

その後の年回忌法要は、数え方が少し異なります。例えば三回忌法要は、亡くなられた年を1年目と数える3年目、亡くなられた年の翌々年の祥月命日に執り行われます。つまり、亡くなった年の2年後に執り行われる法要が三回忌法要です。

法要において、故人様の命日を慰霊するために、月命日と祥月命日があります。月命日は、故人様が亡くなった日と同じ日に行われる法要で、祥月命日は故人様が亡くなった月と同じ月と日に行われる法要です。

例えば、故人様が4月1日に亡くなった場合、毎年4月1日を月命日として法要を執り行います。また祥月命日は、故人様が亡くなった年の同じ月と日に行われる点が特徴です。具体的には、故人様が2022年4月1日に亡くなった場合、2023年4月1日を祥月命日として法要を執り行います。

このように、月命日は毎年行われる法要であり、祥月命日は一度だけ行われる法要です。したがって、七回忌法要は故人様が亡なってから6年目の祥月命日に執り行います。例えば、2023年1月10日に亡くなった場合、2029年1月10日が七回忌法要の日となります。

法要に参列される方々の都合などによって、1月10日を過ぎないように七回忌法要を執り行いましょう。

年回忌法要の意味

年忌法要は、前期・中期・後期の3つに分けられます。また各法要の意味に、それぞれ違いがあるのは特徴です。ここでは、各年回忌法要がもつ意味をご紹介します。

前期

前期の法要は、一周忌、三回忌です。大切な人を亡くしたご家族が死を受け止める、そしてその悲しみを軽減するために執り行われます。「大切なあなたを忘れず、これからも供養します」という誓いを立て気持ちで臨む法要です。

中期

中期の法要は、七回忌と十三回忌です。故人様が遺してくれた財産や言葉、想い出、思想に対して感謝するために執り行われます。また、子どもや孫が結婚して新たな家族が増えることや、引き継いだ会社の経営状態など、6年の間に成長・進化したことを故人様に報告し、受け継いだ命のバトンを次の世代に渡していくことを約束し誓う法要です。つまり、気づきや感謝など、生きるエネルギーをもらうのが中期法要の意味といえるでしょう。

後期

後期の法要とは、十七回忌以降の二十三回忌や二十七回忌、三十三回忌などの法要です。十七回忌や二十三回忌などの後期の年回忌法要は、故人様が亡くなってから数十年経った節目の年の命日に行われる特別な法要だといえます。これら後期の年回忌法要は、故人様を偲び、冥福を祈る機会として重要です。なお、近年は三十三回忌をもって弔い上げと捉え、故人様が完全に成仏したという考えのもと、年忌法要を終えるご家庭が増えました。

七回忌法要の準備

近年の傾向として、七回忌法要は一周忌や三回忌に比べて規模は小さくなることが多いです。また、七回忌からは複数人の法要を一度にまとめて行う「併修」という方法も選ばれることがあります。したがって、参列者は家族や親族に限定されることが多い傾向があります。

ここでは、七回忌法要に必要な準備について、法要前と当日にわけて解説します。

七回忌法要以前に必要な準備

まず、どのくらいの規模の法要にするかを決めます。ご家族のみでするのか、ご親戚にも声をかけるのかなど、おおよその参列の人数を把握します。

そして、いつ。どこで法要を執り行うのかを決めましょう。場所はご自宅や菩提寺の本堂法要室、霊園の法要室などが挙げられます。希望の日程に使用可能かどうか、また僧侶を呼ぶ場合は、都合も確認して日程を決めなくてはいけません。

土日に法要を希望する方が多いため、希望の日時が決まった場合、早めに会場の手配をしておくとよいでしょう。参列者に案内状を送付する場合は、日時・場所・アクセス方法・駐車場の有無・ドレスコードなどを記載し、事前に参列の可否を確認するようにします。

七回忌法要当日に必要な準備

七回忌法要の当日は、仏壇の前、あるいは遺影写真・位牌の前で、僧侶に読経してもらいます。お供えの花や果物、また、生前故人が好きだったものなどを供えてもよいでしょう。菩提寺の本堂で行う場合は、お寺へのお供えが必要かどうかも確認が必要です。

法要当日は、参列者へのお礼として、お香典やお布施を受け付ける場合があります。その際は、受付係を用意し、お金の受け渡し方法や金額の目安などを事前に決めておくとよいでしょう。

法要後には、参列者へのお礼状を送付することが一般的です。手書きで丁寧に書くことが好ましいでしょう。法要当日は、飲食物を提供する場合があります。その際は、食材のアレルギー情報やベジタリアン向けメニューなども考慮し、参列者への配慮を忘れずに行わなくてはいけません。

法要と法事の違い

法要とは、亡くなった人の魂を供養するために行う儀式のことです。一般的には、僧侶による読経やお墓参りなど、仏事のことをさします。これに対し、法事は法要後の会食も含むのが特徴です。

法要の読経時間は30分程度であることが多く、その後の会食有無によって、全体としての法事の所要時間が変わってきます。

三回忌法要まではご家族やご親族以外に、故人様の親しかった人を招いて行う場合もあります。しかし、七回忌法要からはご家族やご親族だけで小規模に行うことが多く、法要を縮小する傾向があります。

ただし、お住まいの地域の風習によって違いがあるため、事前に確認しておきましょう。

七回忌法要の服装とお布施の相場

七回忌法要に参列する場合には、適切なマナーを守ることが大切です。ここでは、服装のマナーとお布施の相場について解説します。

七回忌法要における服装のマナー

七回忌法要での服装は喪服ではなく、カジュアルなものを避けた平服(略喪服)を着用するのがマナーです。

男性はダークスーツにYシャツ、抑えた色調のネクタイをします。女性は黒やグレー、または紺色のワンピースやスーツなど、暗い色の服を着用するのが基本です。

ただし、内々のご家族のみで行う場合は、より簡略された服装が許される場合もあります。事前にご家族と相談して、当日の服装を決めておきましょう。

お布施の相場

お布施とは、読んで字のごとく、古くは寺院に布を奉納していたことからその名がついたといわれています。近年は、葬儀や法要の際、読経を行う僧侶への感謝の気持ちとして金銭を渡すことが一般的です。

七回忌法要のお布施の相場は、地域や寺院によって異なりますが、一般的には3万円~5万円程度でしょう。「御布施」と書かれた白い無地の封筒に、お札の向きを揃えて入れて渡します。

法要は葬儀とは違い、あらかじめ日程が決まっているため、新券を用意するのがマナーです。新券を用意できない場合、できる限りきれいなお札を用意しましょう。

金額について心配な場合は、ご親戚や寺院、葬儀会社などに相談しておくと安心です。

また、僧侶に御布施を渡すタイミングについては、事前にお寺へ挨拶に出向いて渡すのがもっとも丁寧です。しかし一般的には、法要が始まる前、僧侶が到着して挨拶をする際、もしくは法要後、お礼の挨拶をする際に渡すのがよいでしょう。

なお、お布施についての詳細は、以下記事の内容もあわせてご確認ください。

関連記事:『お布施とは?さまざまなマナーや黄白のお布施袋、封筒の選び方などについて解説』

最後に

法要や法事は、仏様となってご家族、親類縁者を守ってくれる故人様に感謝する大切な儀式です。また供養だけではなく、人生を振り返り、さまざまな大切なことを思い出させてくれるきっかけにもなります。

年回忌法要は、数年に1度しか実施されません。しかし仏教の教えに触れ、故人様を偲びながら、命の大切さ尊さを知り、先祖を大切に、自分を大切に、家族を大切にという想いを新たに誓う日でもあります。

そして、ご遺族が日々成長・進化しながら、その日々に改めて感謝することが、法要を執り行う意味です。本記事の内容が、より良い七回忌法要の実施に寄与できれば、何よりです。

横浜市や川崎市で葬儀を行う際には、実績豊富なお葬式の杉浦本店にご相談ください。横浜市、川崎市における多くの葬儀実績があります故人様やご家族、ご親族の気持ちに寄り添った葬儀プランをご提案いたします。

法要のご相談も承りますので、24時間365日いつでもお気軽にお問い合わせください。

お葬式の杉浦本店へのお問い合わせはこちら