社葬とはどのような葬儀なのか?種類や流れ、マナーについて解説

2022.08.16

大企業に勤めていたり、取引をしていたりする方は、社葬に参列した経験があるかもしれません。しかし、社葬はそれほどメジャーな言葉ではないので、知らない方も多いでしょう。

そのため「自社で社葬を開催する」「社葬に参列することになった」という方は、予備知識がなく、どうしたらよいのかわからなくなる可能性もあります。そこで今回は、社葬の概要や種類、式の流れ、マナーなどについて解説するので、参考にしてみてください。

社葬とは

社葬とは創業者や会長、社長をはじめ、企業の業績に多大な功績を残した方などを対象に、顕彰として企業が主体となって行う葬儀です。また、業務中不慮の事故などによって殉職した方を対象に、社葬が執り行われるケースもあります。

社葬の実施目的は、故人様の功績を称え、追悼の意を表し、参列者様と共にお別れをすることが基本です。しかし、場合によっては対外的に事業承継を表明し、新体制を確認する場にもなりえます。

なお、社葬は企業が主体となって開催するものであるため、一般的な葬儀とは異なる部分が多い点が特徴です。

社葬の喪主などについて

社葬を執り行う際には、施主と喪主を決める必要があります。

施主とは、葬儀の費用を負担し、運営やサポートを行う責任者で、企業側が担当することが一般的です。一方、喪主とは、葬儀の打合せや挨拶など、葬儀の進行を中心となって取り仕切る役割で、故人様のご遺族が担当します。

一般的な葬儀では、ご遺族が喪主と施主の両方を務めますが、社葬においては施主が企業、喪主はご遺族、そして社葬の最高責任者である葬儀委員長を、会社の代表者となる社長などが務める点が特徴です。

社葬の会場

社葬の会場選びは、場合によっては数百人規模の参列者が収納できる場所を選ぶ必要があるため、できるだけ早い段階から手続きを進めなくてはいけません。社葬は葬儀の1~2か月後あたりに開催されるケースが多いのですが、都心などの大型施設は予約が困難な状況が予想されます。

参列者の数がどのくらいになるか予想するのは、なかなか難しいと思いますが、参列者全員を収納できるクラスの会場を押さえること施主の重要な課題です。なお、社葬の調整に難航する場合は、弊社のような葬儀会社に相談することをおすすめします。

横浜市や川崎市で葬儀行う方で、社葬の各種手続きに悩まれたときには、実績豊富な弊社お葬式の杉浦本店にご相談ください。横浜市、川崎市における多くの葬儀実績があるので、貴社はもちろん、故人様やご親族の気持ちに寄り添った葬儀プランをご提案いたします。

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社葬の種類は3つ

社葬には、いわゆる「社葬」と呼ばれるもの以外にも、合同葬とお別れ会があり、全部で3種類あります。それぞれがどのような式なのか確認しておきましょう。

1.社葬

社葬とは、企業が施主となって執り行われる、セレモニー的な意味合いが強い葬儀です。

社葬にはご家族やご遺族も喪主として参加することはありますが、式の進行は施主である企業が担当します。社葬を行う段階で、すでにご遺族による葬儀は終わっているケースがほとんどのため、社員や取引先向けに行われる葬儀といえるでしょう。

2.合同葬

合同葬とは、ご遺族と企業が合同で執り行う葬儀です。

企業の意向と故人様、ご家族の希望を取り入れ、お互いが納得できる葬儀にする必要があります。式の流れは一般葬と変わらず、社葬や後述するお別れの会のように、事前に密葬を執り行うことはほとんどありません。

合同葬儀は、特に中小企業での創業者やオーナーにあたる方の葬儀として、実施されるケースが多いです。葬儀の規模はそれほど大きくなく、一般葬に近い流れで執り行われます。また、施主に法人名を添えて費用の一部を負担し、相続・税金面での控除ができるようにすることも多いです。

3.お別れ会

お別れ会とは、故人様との告別をおもな目的とした、宗教儀礼や儀式などにとらわれない、自由なスタイルで執り行う葬儀です。また、お別れ会は偲ぶ会とも呼ばれます。

お別れの言葉(弔辞)や指名での献花、焼香など式典を伴う儀式、お世話になった関係者や参列者をおもてなしする会食、映像や写真によって故人様を偲ぶなど、お別れ会の形式はさまざまです。お別れ会は自由度が高く、趣向を凝らすことによって、故人様らしさを尊重できるでしょう。

ただし、お別れ会を実施する際には、準備や訃報通知案内などにある程度の日数が必要なことや、近親者の方々が参列者への挨拶に追われ、故人様とゆっくりお別れができなくなることが懸念されます。そのため、事前に密葬を近親者やご縁の深い方々だけで執り行い、その後、社葬やお別れ会を実施するパターンで進められることが一般的です。

社葬費用の負担と税務上の取り扱い

社葬を実施する場合、以下の項目を企業側が負担することが一般的です。また、企業によっては、社内規定で決まっている場合もあります。

●社葬の費用として認められる項目
・訃報通知の新聞広告料
・案内状の作成、発送費用
・祭壇料
・葬儀場の使用料
・宗教者へのお礼(戒名料は除く場合がある)
・参列者へのハイヤー代、および送迎バス代
・参列者への御礼(礼状、および粗品)
・社葬、合同葬を手伝った社員に対する、簡単な慰労会費用や食事代
・葬儀社警備などの人件費
・写真、ビデオ撮影料など

社葬にかかった費用を経費計上するためには、取締役会議における社葬に関する議事録と領収書が必要です。すべての支払いに対して、領収書を必ず取得して保管しましょう。

また、香典については、企業ではなくご遺族が受け取り、香典返しはご遺族が負担することが多いです。なお、会社の収益にしたくない場合は、香典を受け取らず辞退する方法もあります。

社葬の事前準備

社葬は関係者が多いため、段取りよく進める必要があります。社葬を行うために最低限必要な事前準備について確認しておきましょう。

社葬の内容についての打合せ

まずは社葬の内容について打合せを行います。社葬は企業にとっての一大イベントでありながらも、故人様やご遺族の意志を尊重することが必要不可欠です。

日程や場所、葬儀の形式のほか、葬儀費用の負担の仕方についてもよく相談しておく必要があります。ご遺族との連絡がスムーズに行えるよう、企業側は専任で連絡係を選出しておくとよいでしょう。

またこれと平行して、社葬の取扱規程を決めなくてはいけません。社葬の対象となる人物や費用、葬儀委員長といった基本方針を役員会で取り決めます。

社内外への通達

社葬の基本方針が決まったら、社内に通達します。日時場所や交通案内、香典、供花、弔電など、各種問い合わせに対する対応を共有しておきましょう。また、社員参列の有無や葬儀運営に携わる人員についてもオーサライズが必要です。

一方、社外の関係者に対して、訃報通知の作成・送付の範囲、新聞広告などによる通知有無の決定や、来賓・会葬者名簿も作成しなくてはいけません。

社葬当日のシミュレーション

社葬の内容などが決まったら、当日の進行を事前にシミュレーションして、以下内容の詳細について最終確認を行いましょう。

・タイムスケジュールの作成
・交通誘導・マイクロバスやハイヤーなどの手配
・弔辞者や指名焼香(献花)者の選定、および来賓席数の確保
・供花の配列(芳名版使用有無)
・待機所でのサービス内容(クロークの設置など)確定
・前日リハーサルを実施して、導線の再確認と立礼者選定と立ち位置確認
・司式者がいる場合は、誘導と案内確認

社葬のマナー

社葬に参列したことがない方は、マナーを事前に確認しておくと安心です。社葬に参列するとき、断るとき、香典のマナーをそれぞれ解説します。

社葬に参列するときのマナー

社葬の受付では、氏名を記帳して香典を渡します。事前に案内状に香典辞退の記載がないか確認しておきましょう。

また、社葬に参列する場合は、名刺を差し出すのがマナーです。本来参列するはずだった方が参列できないときの代理人として参列する場合は、本来参列すべき方の名刺も合わせて持参し、受付で2枚の名刺を差し出します。

このとき、名刺の右上に「弔」の字を記載しましょう。代理で参列した場合は、本来参列するはずだった方の名刺右上に「弔」、自身の名刺右上に「代」と記載します。

社葬に参列するときの服装は、男女共に略礼服の喪服が基本です。女性のアクセサリーは、結婚指輪以外は着用しないほうが無難ですが、真珠やブラックオニキスのネックレスなどであれば問題ありません。ただし、「不幸が重なる」ということを連想させないために、ネックレスは2連ものではなく、1連ものか1粒ものをつけるようにします。

社葬に参列できない場合

取引先の企業から社葬の案内が届いた場合は、基本的には葬儀に参列する必要があります。しかし、事情によっては参列できないこともあるでしょう。そのような場合は、代理の方に参列してもらうか、それができないときは香典、あるいは弔電を送るようにしましょう。

ただし、香典を辞退している場合があるため、送る前に必ず確認が必要です。社葬の場合、弔電の宛先は葬儀委員長になります。合同葬の場合は喪主や遺族でも構わないので、社葬が行われる前日までに届くよう手配が必要です。

社葬における香典のマナー

香典袋の書き方は、社葬においても一般葬と変わりはありません。

表書きは宗教によって異なります。

・仏式の場合:「御香典」または「御香料」
・神式の場合:「御神前」「御玉串料」「御榊料」
・キリスト教式:「御霊前」「御花料」「御ミサ料」

区別がつかない場合は「御霊前」と記入しておきましょう。なお、香典袋に蓮の花が描かれているものは、仏式専用なので注意が必要です。

連名の場合は、表書きに書く名前は3名までとします。3名より多い場合は、表書きには「○○一同(または○○有志)」と書き、別紙に全員の名前を書いて香典袋の中に同封するのがマナーです。

社葬に参列する機会はそれほど多くないとは思いますが、一般的な葬儀の参列と大きな違いはないのでご安心ください。

まとめ

社葬は企業のセレモニー的な側面を持ちながら、ご家族やご遺族のご意向を反映する必要がある特別な葬儀です。普段、葬儀を取り仕切ることがない企業が主体となって、運営を行う必要があるため、事前準備を入念に行い、滞りなく式が行えるように調整しましょう。

一方、社葬に参列する場合は、一般的な葬儀と大きな違いはありませんが、名刺の持参が必須な点や香典のマナーについては注意が必要です。

社葬についてご不明な点がある場合は、お葬式の杉浦本店にお気軽にご相談ください。

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