葬儀の事前相談でよく聞かれる7つのこと

2022.08.16

ご家族や大切な方が亡くなったときに、短時間のうちに葬儀屋さんを調べ、葬儀の内容などを決めていくのは大変なものです。
少し前から『終活』という言葉も耳にするようになり、遺されたご家族の負担にならないよう、元気なうちにご自身の最期について考えておくという方が増えてきました。

ここでは、葬儀の事前相談でよく聞かれることをご紹介しています。
葬儀屋さんの事前相談でどのようなことを聞けばよいのか、ご参考になれば幸いです。

葬儀の事前準備を行う方が増えている

大切な方、ご家族を亡くしてしまったときに、ご遺族が葬儀屋さんに電話をかけて「お迎えをお願いします」と、それだけを伝えれば良いように準備をしておくこと。
それが葬儀の事前の相談です。

ご遺族は悲しみや疲れの中で葬儀屋さんを調べ、初めてのことで何も分からないまま、一から決めていくことが多いのではないでしょうか。
ご遺体の安置先や費用など、すべてのことを短時間のうちに決めて進めていくのは大変です。

そこで、あらかじめ相談をしてみて、信頼のおける葬儀屋さんを見つけておこうという方が増えています。

その中で特に多いと感じるのは、医師から「そろそろ準備をしておいてください」と言われてしまったので……というケースです。
『準備』と言われてまず思い浮かぶことのひとつが『お葬式』ではないでしょうか。

インターネットで検索した葬儀屋さんへ電話をためらってしまうケースも

「お葬式の準備といえば、まず葬儀屋さんを探さなくては」とお考えになると、最近ではインターネットで検索される方も多いでしょう。
全国展開で最寄りの葬儀屋さんを紹介してくれる紹介会社から、葬儀一筋の長い歴史を持つ会社まで、さまざまな葬儀屋さんのホームページを見ることができます。

ホームページが充実している葬儀屋さんであれば、最寄りの葬儀場や人数、予算などが掲載されているでしょう。
しかし検索した中から、良さそうな葬儀屋さんに実際に話を聞いてみようと思ったものの、お葬式の事前準備では何を相談したら良いのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

「いったい何から聞いたらいいのだろう?何を聞いておいたらいいのだろう?」
「住まいから近いところはどこか、遠方の親戚が来やすい場所が良いのか、詳しい予算はどれくらいなのか」
「何を聞いたらいいのか分からないから、なんとなく電話をかけづらい」
こうした方のために、事前相談でどのようなことを質問されているのかをご紹介します。

事前相談でよくある質問とは

事前相談でご質問の多い内容は、大きく「ご逝去からの流れ」と「費用」に分けられます。
はじめに「ご逝去からの流れ」をみていきましょう。

ご逝去からの流れ①ご安置

ご遺族が最初に決めることは、故人様をどちらにご安置したいのかということです。
葬儀屋さんのお手伝いは、そこから始まります。
亡くなられた方をお迎えに行き、葬儀の日までの安置場所にお連れします。

よくご相談いただくこと

「病院や施設で亡くなった場合、お迎えに来てもらえますか?」
「自宅に連れて帰ることはできますか?」
「自宅に連れて帰るのは難しいので、預かってもらえますか?」
「1日は自宅で、そのあと預かってもらうというようなことはできますか?」
「自宅で看取った場合、ドライアイスを当てに来てもらえますか?」
「自宅から葬儀屋さんに移して預かってもらえますか?」
「火葬場がとても混んでいると聞いているのですが、その間ずっと預かってもらえるのでしょうか?」
「預かってもらっている間、途中で故人に会いに行くことはできますか?」
「自宅での安置の場合、ドライアイスの交換には来てもらえるのでしょうか?」
「何日くらい自宅で過ごして大丈夫でしょうか?」

ご逝去からの流れ②お打ち合わせ

故人様の安置とともに、葬儀に関してのお打ち合わせを行わせていただくことが多いです。

よくご相談いただくこと

「葬儀の日にちや詳細の打ち合わせは、いつ、どこでするのでしょうか?」
「自宅に来てもらって打ち合わせすることもできますか?」
「事前の登録は必要でしょうか?」

ご逝去からの流れ③式の形態

「一番シンプルな形で、家族だけで送りたいのですが、できますでしょうか?」というご質問を耳にすることが増えました。
一番シンプルな葬儀とは、どのような葬儀のイメージでしょうか。例を挙げてみましょう。

・お坊さんを呼んでお通夜と告別式を2日間に渡ってするお葬式ではあるが、近しい身内だけで執り行うお葬式。
・お通夜はせず、お坊さんに葬儀のお経を読んでいただく、告別式だけの1日葬。
・お坊さんは呼ばずに、葬儀式場で近しい人達だけで集まってお別れの時間を過ごす、無宗教のお別れ会。
・葬儀式場は使用せず、火葬場で火葬前にお別れをする火葬式直葬。

さまざまな形がありますので、相談をしながらイメージを膨らませていただければと思います。

よくご相談いただくこと

「葬儀屋さんによってプランの内容に違いがあるので、いろいろなところに聞いてみているのですが……」
「今、全部決めておかないといけませんか?」

ご逝去からの流れ④宗教者手配について

葬儀の形式によっては、お坊さんや神職の方を呼ぶこともありますが、菩提寺様がどこか分からない、そもそもお付き合いがないという方も増えています。
そんなときでも葬儀屋さんにご相談いただければ、ご希望の式にあわせて宗教者を手配いたします。

よくご相談いただくこと

「お寺との付き合いが全くないのだけれど、お坊さんは紹介してもらえますか?」
「神道なのですが、神職を紹介してもらうことはできますか?」
「遠方にお寺があって、火葬後、後日そちらで葬儀をするのですが、火葬のときにお経を読んでくれるお坊さんを紹介してもらうことはできますか?」

費用①故人様のご安置にかかるお金

続いて費用面に関する質問をみていきます。
ご逝去から葬儀までの期間がご安置の期間となりますが、この期間は、火葬場の予約や希望の式場の空き状況、菩提寺様のご都合などを考慮して決められます。

よくご相談いただくこと

「故人を預かってもらいたいのですが、その際の費用を教えてください」
「ドライアイスの費用は1日いくらでしょうか?」
「病院が少し遠いのですが、運んでもらうのに追加の費用はかかりますか?」
「自宅に連れて帰ると追加の費用がかかりますか?」
「安置所に安置をお願いした場合に、面会をするのは有料ですか?」

費用②プランに含まれている内容

ホームページなどを見ると、『○○プラン○○万円~』のように、セットの料金表記がほとんどです。
なぜ『~』と書かれているのでしょうか。
基本的には食事やお香典返しなど、参列の人数で変動するものが『~』には含まれているのだろうと思うかもしれませんが、それだけではありません。

価格に幅がある理由は、そのプランだけでは葬儀に必要不可欠なもののすべてが含まれていない場合が多いからです。
例えば式場利用料や火葬料金などは、どこの葬儀式場を使用するのか、どこの火葬場で火葬するのかによって変動する場合があります。
同じように、火葬場の予約の空き状況によってご安置の日数が変わるため、ご安置所の使用日数やドライアイスの使用個数も変動します。
1日あたりいくらという料金設定にしている葬儀屋さんが多いため、延長したときの費用も確認しておくと安心です。

よくご相談いただくこと

「ここ(ホームページやパンフレット)に書いてある金額で本当に全部できるのでしょうか?」
「記載があるもの以外で必要な費用はありますか?」
「亡くなってから葬儀が行われるまで日にちが空く場合は、1日あたりどのくらいの費用がかかりますか?」
「式場の利用料は含まれていますか?」
「火葬料金は別途必要でしょうか?」
「食事や飲み物はどのくらいの金額でしょうか?」

費用③宗教者の手配にかかる費用

お坊さんや神職の方にお支払いする金額についても、ご相談としてはかなり多いものです。
お付き合いを考えた上での相場や支払いの範囲など、判断が難しい場合も、ぜひ葬儀屋さんへご相談ください。

よくご相談いただくこと

「お布施はいくらでしょうか。別途お車代やお膳料は必要でしょうか?」
「火葬中、控室で食事をしようと思いますが、お坊さんの分の食事も必要ですか?」
「七七日忌法要も同じお坊さんにお願いしたら、お布施はいくらでしょうか?」

互助会に加入している場合は内容の見直しを

お葬式には多額の費用がかかっても当たり前、という時代は終わりました。
昔は、お葬式の備えとして『互助会に加入する』のが主流でした。
あらかじめ葬儀屋さんを決めて、その葬儀屋さんの持つ互助会の、例えば月3,000円の50回コースなどに加入して、毎月コツコツとお金を積み立てておくというものです。

ひとつお伝えしておきたいのは「うちは互助会に入っているから大丈夫!」と思われている方がとても多いのですが、ほとんどの場合、それだけでは足りないということです。
たとえ積み立てが満期になっていたとしても、それは葬儀費用のごく一部であり、そして互助会員として受けられる特典も、期待ほどではないかもしれないのです。
つまり互助会で積み立てた金額で葬儀費用のすべてをまかなうことはできないのです。

ですから互助会に加入されている方にとっても、葬儀においてはどのようなことにどのくらいの費用が必要なのかを知って、準備をしておくことが大切です。
葬儀のご相談をされる際は、加入されている互助会の内容を見直しながら、具体的な流れや費用を確認していきましょう。

まとめ:事前相談は、葬儀屋さんの対応力を知るチャンス

葬儀の準備にあたって、皆さんがどんなことを相談しているのかをご説明しました。
葬儀屋さんへ事前に相談する手がかりはできたでしょうか。
電話をかけることは勇気のいることだと思いますが、疑問に思うことを質問して明らかにしておくだけではなく、相談のやり取りの中で、その葬儀屋さんの対応の仕方もあわせて確認することができます。

相談した葬儀屋さんは、分かりやすく説明してくれたでしょうか。
丁寧で親切な対応だったでしょうか。
信頼できると感じられたでしょうか。
ホームページやパンフレットだけでは分からないことも、電話やメールのやり取りをすることで分かることがあるかもしれません。

葬儀の形式や場所、費用と同じように、どの葬儀屋さんに葬儀を手伝ってもらうのかということも重視してみましょう。