お見舞い金のマナーとは?金額の相場や封筒の選び方、書き方などをご紹介

2023.10.26

病気やケガは、誰にでも起こりうるものです。私たちの身近な人が病気やケガをして入院した場合、どのように対応すればよいのでしょうか?相手に失礼な印象を与えないためには、適切なマナーを身につけておくことが大切です。

そこで今回は、お見舞金のマナーを身につけるために、金額の相場や封筒の選び方、書き方などをご紹介します。

お見舞いについて

お見舞いへ行く際には、怪我や病気をした人の回復を願い、心に寄り添うことが大切です。入院の事実を知らされた場合、すぐにお見舞いへ行きたい気持ちも理解できますが、相手の状況を考えることが重要です。

「ゆっくり過ごしたい」「弱っている姿を見られたくない」など、人によって考えはさまざまでしょう。そのため、お見舞いの際には事前に連絡を取り、相手が訪問に応じるか否かを事前に確認することも大切です。

お見舞いのタイミング

お見舞いのタイミングは、入院後4~5日程度経過した後、手術から数日経過した頃に伺いましょう。手術直後は、ごく親しい身内以外の人は避けたほうがよいでしょう。

また、午前中は検査や検診のスケジュールが重なるため避けて、昼食後に行くのがおすすめです。ただし、長居は避ける必要があります。相手が疲れてしまうため、20〜30分以内がベストです。事前に都合の良い時間を聞ける場合は、必ず確認しておきましょう。

お見舞いに行った際は、相手の話をよく聞き「大変だったね」など、共感するような言葉選びを心がけなくてはいけません。できる限り前向きな言葉で、励ましの言葉をかけることが大切です。

お見舞い品の選び方

入院中は気分が落ち込みやすくなるため、お見舞い品は励ましの気持ちを込めて、気晴らしになる小説や雑誌、お花やフルーツなどが一般的です。

アレンジメントしてあるお花であれば、花瓶を用意する必要がなく、持ちも良いため喜ばれます。鉢植えの花は「根が付く=寝付く」を連想させるため、避けたるのがマナーです。

また食べ物については、入院先の決まりや食事制限もあるため、その代わりにお見舞い金を渡すケースもあります。その場合は「お見舞い品の代わりに」「お気持ちばかりですが」「お役にたてば」など、一言添えたほうが相手に気を遣わせずに済むでしょう。

お見舞い金のマナーと相場

お見舞い品の代わりにお見舞い金を準備する場合には、適切なマナーを守ることが大切です。ここでは、お見舞金のマナーと金額相場をご紹介します。

お見舞金のマナー

お見舞金として包むお札は、きれいな古札を使用するのがマナーです。香典と同じようにお見舞い金でも、新札は使用しません。「新札を用意していた=ケガや病気を予測していた」と捉えられるためです。もし手元にきれいな古札がない場合は、新札を用意し一度折り目を付けてから使用するとよいでしょう。

お見舞金の相場

お見舞い金は身内やご友人、仕事関係者、近所の方など、相手によって金額相場があります。おもなお見舞金の相場は、以下のとおりです。

・親や兄弟、親戚などの身内:5,000円〜10,000万円程度
・ご友人、近所の方:3,000円〜5,000円程度
・職場の同僚:3,000円~5,000円程度
・職場の部下:5,000円~10,000円程度
・取引先の人:10,000円〜30,000円程度

目上の立場である職場の上司には、現金を渡すのが失礼とされているため、3,000円~10,000円程度のお見舞い品を渡すのがマナーです。また学生の場合は、身内のお見舞金としても3,000円で問題はありません。なお、お見舞金の金額は「4」「6」「9」が、「死」「無」「苦」を連想させるため避けましょう。

お見舞い封筒の選び方とマナー

お見舞い金を包むお見舞い封筒には、さまざまなマナーがあります。封筒は種類が多いため、なにを選んだらよいかわからない方も多いでしょう。間違ったものを選ぶと、相手の失礼にあたるため適切に選ぶことが大切です。ここでは、お見舞い封筒の選び方とマナーをご紹介します。

お見舞い封筒の選び方

お見舞い封筒に適しているものは、熨斗(のし)がついていない、結び切り、もしくはあわじ結び、かつ紅白の水引(みずひき)が付いた封筒です。ここでは、お見舞い封筒を選ぶポイントごとにマナーを解説します。

熨斗

熨斗には「末永く伸びるように」という縁起物の意味があるため、お見舞いには不適切です。そのため、熨斗がついていないものを選びましょう。なお、熨斗マークが印刷された封筒もNGです。

ただし、地域によっては熨斗がついたお見舞い封筒を選ぶ場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

水引

水引とは日本の伝統的な結び方の1つであり、縁起物として知られています。そのため、水引を使用した封筒は、お祝いやお礼の場で使用されることが一般的です。

水引は色によって、その意味が異なります。見舞い封筒の場合は、病気の全快を願い、お祝いと同じ紅白の水引を選ぶのがマナーです。紅白はお祝い事に使われるイメージはありますが、病気やケガをした人の回復を願う場合にも使用されます。

また、お見舞い封筒ではほどけにくい結び切り、もしくはあわじ結びの水引を選ぶのがマナーです。蝶結びのものは避けましょう。結び切りとあわじ結びは「結び目が固く一度結ぶと解けない」ことから「2度と繰り返すことがないように」という意味が込められています。したがって、結婚のお祝いや弔事など、何度も繰り返したくない場合に用いられます。

ただし、重篤なケガや病気、事故、流産など、深刻な状況で入院している場合は、水引がついていない(赤い帯だけがついているもの)封筒を選ぶ必要があるため注意しなくてはいけません。また、地域によってマナーが異なることはあるため、事前に確認しておきましょう。

中袋について

お見舞金を包む封筒は、中袋が付いているものを選びましょう。簡易的なご祝儀袋には中袋がついていない場合はあるため注意が必要です。中袋にお見舞金を包み、表包みで中袋を包むのがマナーです。

封筒の裏面の折り方

お見舞い封筒の裏側を折るときは上側が内側、下側が外側になるようにしましょう。下から上の折り方は、上昇を意味しているため「ケガや病気が早く良くなりますように」という願いが込められています。

お見舞い封筒の書き方

お見舞い封筒には、金額や差出人などを記入する必要があります。ここでは、お見舞い封筒における中袋と表書きの書き方を確認しておきましょう。

中袋の書き方

中袋の表中央には、お見舞い金の金額を縦書きします。金額は算用数字ではなく、大字(おおあざ)を用いて「壱」「弐」「伍」「仟」と記入するのがマナーです。例えば、お見舞い金が1万円の場合は「金壱萬円」と記入します。
   
中袋の裏側には、左寄せで住所と氏名を記入しましょう。お札を入れる向きは、人物を表にして上向きで入れるのがマナーです。これには「早く治りますように」と回復を願う意味が込められています。

表書きの書き方

お見舞い袋の表書きには、水引の上部中央に「御見舞」、もしくは「お見舞」と記入します。また、病気や事故の場合は「お慰め」と記入してもよいでしょう。ただし、4文字は死をイメージさせることから縁起が悪いため、「御見舞い」や「お見舞い」という表記は避けるのがマナーです。

名前の書き方

表書きの下には、贈り主の名前をフルネームで記入します。3人以下の連名で贈る場合は、立場や年齢の高い人から順番に名前を記載するのがマナーです。知人や友人の場合は、五十音順で右から左へ順に書きます。

それ以外のマナーは、以下のとおりです。

・夫婦連名:夫はフルネームで、妻は名前だけを夫の位置に揃えて記入
・4名以上の連名:代表者の名前を古なーむで記入し、左下にやや小さく外一同と記入
└全員の名前は、別紙の奉書紙、または和紙に記入して中袋に包む

まとめ

お見舞いに訪れる際のマナーを把握しましょう。相手の状況を尊重し、事前に連絡を取ることが大切です。お見舞いのタイミングや持ち物、言葉選びに気を配りましょう。

お見舞い品は気晴らしになるものが良く、お見舞い金の場合は金額相場とマナーに気を付けなくてはいけません。その際、お見舞い封筒の選び方や書き方も大切です。熨斗や水引、中袋、表書き、名前の記入に注意し、相手の気持ちを尊重した温かいメッセージを伝えましょう。

お見舞いは相手を励まし、絆を強くする機会です。現在は、お見舞いにいけない場合でも手紙やメール、電話などでメッセージを送れる時代です。相手の気持ちを考えて、励ましの言葉やお見舞いの気持ちを伝えましょう。

相手が読んだり聞いたりすることで、少しでも元気を取り戻せるかもしれません。また、相手の状況に合わせて困っていることがあれば、積極的に協力することが大切です。

お見舞いは、相手の心を温かくするだけでなく、相手のために何かをすることで自分自身も喜びや充実感を感じられる場です。相手との絆を深める機会でもあります。大切な人が病気やケガをした場合には、ぜひお見舞いに訪れて支えてあげましょう。