喪中はがきの書き方やマナーを知りたい!文例も紹介

2022.12.01

これまで葬儀に参列されたことがない方でも、喪中はがきを目にしたことはあるかと思います。子どもの頃、親戚や友人との年賀状のやり取りにおいて、見たことがある方もいるかもしれません。

近年は、メールやSNSが浸透し、年賀状を出す機会がめっきり少なくなりました。しかし、不幸があった場合には、いまだに喪中はがきを出すことが多いでしょう。

そこで今回は、喪中はがきの書き方やマナー、文例などをご紹介します。

「喪中はがき」とは

そもそも、喪中はがきとは、どのような目的で出すものなのでしょうか。喪中の意味や出す目的などについて解説します。

喪中はがきを出す目的

喪中はがきとは、簡単に説明すると「今年は年賀状を出しません」という旨を、相手に伝えるための手段です。知人や友人、会社の同僚などに、喪中期間であることを知らせます。

喪中とは、ご家族やご親戚などが亡くなってから、一定期間喪に服す期間のことです。
喪中の対象は、二親等までのご親族といわれていますが、厳密な決まりはないため、付き合いの深いご親族であれば、二親等以外であっても喪に服すこともあります。

宗派や地域の風習などによっても異なりますが、一般的には1年間、喪に服すことが多いです。喪中の間は、故人様のご冥福を祈る期間とされているため、慶事である新年を祝う年賀状を送る行為は、避けなくてはいけません。そのため、周囲に喪中であることを知らせる手段として、挨拶状といえる喪中はがきが用いられるわけです。

喪中はがきを出すべき相手

喪中はがきを送る相手は、年賀状のやり取りを行っている方です。不幸があったことを伝えるために、勤めている会社の上司や同僚に送ることもあります。一方、不幸があったことを知っている、近しいご親族には送らないことが一般的です。

ただし、喪中の間についても、必ず年賀状を送ってはいけないわけではありません。仕事上のお付き合いがある方などには、年賀状を送るケースもあります。

喪中はがきを出す時期

喪中はがきを出す時期は、11月~12月の初めが一般的です。

喪中はがきは、相手に「今年は年賀状を出さない」ことを伝えることが目的のため、年賀状の準備を始める11月下旬から12月上旬までの時期までに届けなくてはいけません。

あまりにも早い時期に届いてしまうと、相手が忘れてしまう可能性もあるため、年の瀬が近づいてくるタイミングに、喪中はがきが届くとよいでしょう。

なお、年末に不幸があった場合は、相手がすでに年賀状を発送済みの可能性もあります。その場合は、喪中はがきを発送せず、忌中と松の内が明けた後、立春までに寒中見舞いを送ることが一般的です。

喪中はがきと寒中見舞いの違い

寒中見舞いとは、新年の挨拶ができないことを相手に伝えるものです。一般的に、年賀状のやり取りをしている方々へ送ります。そのため「喪中はがきと寒中見舞いはなにが違うの?」と思われる方も多いでしょう。

寒中見舞いは、喪に服していることを伝えるものではありません。本来、寒中見舞いとは、寒さが厳しい季節の挨拶文として使用されるものです。したがって、寒さの厳しい1月から2月の初めに送るのがマナーとされています。

喪に服している間は、年賀状を受け取ってはいけないわけではありません。こちらから新年の挨拶ができないだけです。寒中見舞いを送ることによって、喪中の事後報告と、新年の挨拶を失礼したことを伝えることはよくあります。

喪中はがきの書き方

喪中はがきの基本的な構成は、以下の通りです。

・挨拶文
・故人様が亡くなった日付、続柄、名前、年齢
・相手へのお礼
・結びの挨拶
・差出の日付
・差出人の住所氏名

冒頭で、喪中のため年賀状のやりとりをしない旨を伝えます。後ほど解説しますが「拝啓」などの時候の挨拶や前文を書くのは、マナー違反なので避けましょう。また喪中のため、年賀や年始、新年といった言葉の使用も控えなくてはいけません。

次に、故人様の亡くなった日付と続柄、名前、年齢を記入します。亡くなった年齢は、享年の場合、数え年(生まれた年を1歳と数え、以後正月ごとに1歳ずつ増やす年齢)で記入することが一般的です。

享年と記載する場合には、数字の後ろに「歳」は付けず「享年80」などと記入しましょう。
そうでない場合は「〇〇歳」と記入して構いません。

故人様の名前を記入する際には、続柄の記載が必要です。喪中はがきを出す方と故人様の間柄に応じたものを表記しましょう。続柄の書き方事例は、以下の通りです。

続柄

表記方法

夫、主人

妻、家内

父、実父

母、実母

配偶者の父

父、義父

配偶者の母

母、義母

子ども

長男、次男、長女、次女など

両親の親

祖父、祖母

配偶者の両親の親

義祖父、義祖母

孫、孫息子、孫娘

兄弟

兄、弟、姉、妹

配偶者の兄弟

義兄、義弟、義姉、義妹

なお、夫婦連名の場合には、夫の続柄に合わせることが一般的です。

例:今年八月に〇〇の父 ●●が八十歳で永眠いたしました

そして、普段のお付き合いに対する、相手へのお礼も忘れてはいけません。今後も継続的に良好な関係性を築けるよう、挨拶の言葉を結びに添えます。

差出の日付は、縦書きの場合は漢数字、横書きの場合は数字で記入するのがマナーです。
最後に、差出人の住所氏名を記入します。夫婦連名の場合は夫、妻の順番で、子どもは含めないことが多いです。

今回ご紹介した構成は、あくまでも基本的なもののため、さまざまな構成があることを覚えておく必要があります。そのため、喪中はがきを出す前に、葬儀会社やご親戚などに相談しておくと安心でしょう。

喪中はがきのマナー

喪中はがきを書く場合には、いくつか注意しなくてはいけないポイントがあります。喪中はがきのマナーとされている、おもなポイントについて確認しておきましょう。

縦書きが基本

喪中はがきは、フォーマルな手紙のため、本来は縦書きで書くのがマナーです。その場合、数字はアラビア数字で記載します。近年は、さまざまなタイプの喪中はがきが販売されているため、横書きのものもありますが、縦書きのはがきを使うのが無難でしょう。

黒字で書く

喪中はがきの文字は、黒で書くのが基本です。慶事ではないため、華美なデザインや色合いは控える必要があります。

筆で書く場合、薄墨・濃墨は問いませんが、慶事などを連想させる明るい色の使用は控えましょう。薄墨であれば、喪中らしい控えめな印象を演出できます。濃墨は、喪中であることを相手に明確に伝えることが可能です。

前文は省略

喪中はがきを書く場合は、前文を省略します。通常、文章を書く場合には「前文・主文・末文」という構成が一般的ですが、弔事に関連する内容の場合は前文を省くことがマナーです。
そのため喪中はがき以外にも、葬儀の際に使用する会葬礼状なども、前文は省略されます。

句読点は使わない

喪中はがきを書く際には、句読点を使わないこともマナーです。喪中はがきだけでなく、儀式的な挨拶文や招待状などの共通ルールとされています。そのため、慶事の代表例といえる結婚式の招待状や表彰状なども同様です。

喪中はがきで句読点を使用しない理由は、本来であれば筆で書くものとされているためです。毛筆を主流で使用していた時代には、句読点を使用する習慣はありませんでした。現在もその名残があり、喪中はがきには句読点が使われないようです。ただし、句読点がないと文章が読みづらいと感じた場合は、空間を空けましょう。

文頭の一字下げはしない

喪中はがきでは、文頭の一字下げを行いません。理由は句読点と同じで、正式な文書には使わないことがマナーとされているからです。

挨拶や添え書きは不要

喪中はがきには、年賀欠礼以外のことは記載しないのがマナーです。

喪中はがきに記載する内容は、喪中のため年賀欠礼(新年の挨拶を失礼すること)の旨と、故人様のお名前・亡くなった時期・年齢を主文で書きます。末文には、感謝の気持ちと今後のお付き合いをお願いする内容や、相手の無事を祈る文で締めくくることが一般的です。

その他の近況報告については、記載しません。もし近況報告(結婚・出産等)などがある場合には、別途手紙などで連絡しましょう。

華美なデザインを控える

喪中はがきは弔事に関するものであるため、華美なデザインは避けるべきです。デザインに迷う場合は、ネットなどでさまざまな喪中はがきのデザインを確認できますので、故人様の印象に合うものを探してみるとよいでしょう。

近年は、故人様の好きだったものなどを、デザインに加えるケースも増えています。喪中はがきを送る相手なども考慮して、最適なものを選択しましょう。

喪中はがきの文例

喪中はがきの文例を、前文と部分ごとにいくつかご紹介します。作成時の参考にしてみてください。

●故人名と続柄ありの文例

喪中のため新年のご挨拶を失礼させていただきます
本年〇月に祖母〇〇が〇〇歳にて永眠いたしました
生前の長期にわたるご厚情に心から御礼申し上げます
明年も変わらぬご厚誼のほど謹んでお願い申し上げます

●病気療養中に亡くなった場合の文例

喪中につき年末年始のご挨拶を慎んでご遠慮申し上げます
かねてより病気療養中の岳父〇〇が本年〇月に〇〇歳にて永眠いたしました
生前に賜りましたご厚情に感謝いたしますとともに
皆様に良き年が訪れますようお祈り申し上げます

●故人様が急死した場合の文例

喪中につき年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年〇月に母〇〇が急逝いたしました
生前のご厚誼に心より感謝申し上げます
今後も変わらぬご厚誼のほど謹んでお願い申し上げます

●冒頭挨拶文の文例

喪中につき年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
喪中のため年頭のご挨拶を失礼させていただきます
喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきます 
など

●お礼の言葉文例

生前のご厚誼に心より感謝いたします
ここに生前のご厚情を故人になりかわり感謝申し上げます
生前に賜りましたご厚情に感謝いたします
など

●結びの挨拶文例

明年も変わらぬご厚誼のほど心よりお願い申し上げます
皆様に良きお年が訪れますようお祈りいたします
なお時節柄一層のご自愛のほどお祈りいたします
など

喪中はがきや切手について

「喪中はがきや切手はどのようなものを使えばよいのだろう……」という方のために、選び方と購入できる場所をご紹介します。

はがきは喪中用を使う

喪中用のはがきが売られているため、そちらを使用するのが無難です。喪中用のはがきは郵便局をはじめ、コンビニや100円ショップ、ネットなどでも購入できます。デザインも豊富なので、好きなものを選んで購入しましょう。

ただし近年、喪中はがきの販売は縮小傾向にあります。販売している店舗においても、印刷済みのものは取り扱っていないケースがほとんどです。コンビニなどで購入する場合は、事前に取り扱いがあるか確認することをおすすします。

一方、郵便局においても、1年中販売しているわけではなく、例年では10月1日より販売されているようです。こちらは喪中はがきを出す時期に合わせています。2種類が販売されており、各5枚セットで購入することが可能です。

切手は弔辞用を使う

出典:郵便局のネットショップ/弔事用63円普通切手・花文様

喪中はがきの切手については、明確なルールはありません。しかし、喪中用の切手として定番化しているものが、弔事用の切手です。

弔事用の切手は、郵便局で販売されている胡蝶蘭をあしらったデザインが特徴です。郵便局や郵便局のネットショップなどで、1枚63円にて購入できます。

喪中はがきの作成や投函の代行について

喪中はがきは、喪主以外の方が出すことも可能です。一般的には、故人様とかかわりが深かった方に対して、喪主の方が出すケースがほとんどでしょう。

しかし、喪主以外の二親等の親族が個人名で出すことがあります。夫婦連名で出すことも可能です。

例えば、世帯主ではない方の両親が亡くなられた場合は「義父・義母」と記すため、実の両親であるにもかかわらず「義理」と記載することに抵抗を持つ方もいます。そのような場合には、個人名で出して「父・母」と記載しても問題はありません。

弔事の際に使用する会葬礼状は、葬儀会社などが作成代行を担うケースも多いです。喪中はがきは、基本的に出される本人が作成することは多いですが、葬儀会社や制作業者に作成を依頼することもできます。多忙な場合は、作成代行の依頼を検討してみてはいかがでしょう。

まとめ

今回は、喪中はがきについてご紹介しました。近年は、喪中はがきを送ることも少なくなってきました。作成する機会や受け取る機会も少なくなってきましたが、最期に故人様の挨拶・感謝を伝えるものともいえます。本記事の内容が、喪中はがきを検討する参考になれば何よりです。

なお、横浜市や川崎市で葬儀を行う際には、実績豊富なお葬式の杉浦本店にご相談ください。横浜市、川崎市における多くの葬儀実績があるので、故人様やご家族、ご親族の気持ちに寄り添った葬儀プランをご提案いたします。

喪中はがきについてのご相談も承ります。24時間365日いつでもお気軽にお問い合わせください。

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