四十九日法要の意味とは?忌日法要の種類と意味についても解説

2023.10.24

ご家族やご親戚がなくなり、葬儀を行った後、執り行われる法要の1つが四十九日法要です。四十九日法要に参列する方は多いため、実際に経験のある方は多いかもしれません。

ところで、四十日法要がどのような意味を持つ法要なのかをご存じでしょうか?実は、仏教の教えと親密な関係があるのです。

ここでは、四十九日法要の意味を仏教との関係性にも着目して解説しつつ、記述法要の種類や意味などもご紹介します。

四十九日法要と仏教

四十九日法要という言葉を知っていても、どのような儀式なのかを詳しくご存じない方は多いかもしれません。ここでは、四十九日法要の意味と仏教との関係について解説します。

四十九日法要とは

四十九日法要とは、故人様が亡くなってから49日目に行われる忌中法要のことです。初七日や三十三回忌などと同様に、故人様の霊を供養するために行われます。四十九日法要では、位牌の開眼やお墓への納骨法要を行うことが一般的です。

なお、亡くなってから49日目に法要を行う理由は、仏教の教えが背景となっています。

仏教における四十九日

仏教では、亡くなった人の魂は死後の世界でさまざまな試練を経験し、その後、次の転生へ進むと考えられています。この試練を乗り越えて、故人様の魂が安らかな往生を遂げることを願い、特に重要な期間として49日目が捉えられているそうです。

亡くなった日を1日目として、48日後が49日になります。カレンダーで見ると、亡くなった日の1週間後の1日前が初七日(しょなのか)、そのさらに1週間後が二七日(にななにち)、三七日(さんななにち)、四七日(ねんななにち)、五七日(ごななにち)、六七日(ろくななにち)ときて、七七日(ななななにち)が四十九日と呼ばれています。

忌日法要の概要とその種類

忌日法要とは、故人様の命日に行われる法要です。故人様の冥福を祈り、供養するために行われます。ここでは忌日法要の種類をご紹介します。

忌日法要の種類

忌日法要には、命日から日数単位で数えて行われる忌日法要、毎月、命日と同じ日に行う月忌法要、命日から年数単位で数えて行われる年忌法要の3種類です。

忌日法要のうち、故人様が亡くなってから7日目に行われる初七日法要と、49日目に行われる四十九日法要がもっとも重要視されます。初七日法要は、故人様が旅立った悲しみに区切りをつける日である一方、故人様が極楽浄土に旅立てるように冥福を祈るものです。

故人様が亡くなってから七日ごとを忌日と呼び、この日に行われる法要が行われます。初七日の後、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日を経て、七七日の四十九日をもって忌明けとなるのが一般的です。

年忌法要は、1年に1度やってくる故人様の命日に合わせて行われる法要で、一般的には死亡した翌年に行う「一周忌」、翌々年に行う「三回忌」「七回忌」「十三回忌」「十七回忌」「二十三回忌」「二十七回忌」「三十三回忌」があります。 場合によっては「五十回忌」「百回忌」が開かれることもあるようです。

四十九日に至るまでのそれぞれの忌日には、故人様の罪業や行いについて調べられる審判が下されます。各法要における意味は、以下のとおりです。

初七日の意味

初七日では、不動明王(秦広王)によって生前への未練が断たれ、故人様の生前における殺生について調べられます。故人様が三途の川に到着する時期といわれており、この裁判の結果によって三途の川が激流か緩流か、橋の上を渡れるかどうかが決まるそうです。

故人様の両肩に宿る倶生神(ぐしょうじん)が報告し、不動明王はその報告を聞いて、閻魔帳に生前の行いを書き入れます。

二七日の意味

二七日は、釈迦如来(初江王)によって故人様の生前における盗みについて調べられます。なお、釈迦如来とは、お釈迦様のことです。三途の川を渡りきると、川岸に奪衣婆(だつえば)と呼ばれる老婆の鬼がおり、衣服を剥ぎ取られた後、取り調べが行われるそうです。

三七日の意味

三七日では、文殊菩薩(宋帝王)に故人様の生前における不貞について調べられます。

四七日の意味

普賢菩薩(五官王)に、故人様が生前に嘘をついたかどうかを調べられるのが四七日です。目・耳・鼻・舌・身を使って、他人を傷つける言動をしていなかったかどうかを裁かれます。

五七日の意味

五七日には閻魔王(地蔵菩薩)が登場し、故人様が来世に生まれ変わる世界が決められます。前の四王から引き継がれ続けてきた閻魔帳の内容や、すべての嘘やごまかしを見破る浄玻璃鏡に映し出される生前の行いを裁かれ、六道のうちどこへ輪廻転生するかが決定されます。

生前に犯したすべての罪が映し出されるため、故人様にとっては辛い場面になるでしょう。しかし、同時に現世の人たちが供養してくれている姿も映し出されるため、それを見た故人様は嬉しい気持ちで成仏できるといわれています。

六七日の意味

六七日は弥勒菩薩によって、故人様が生まれ変わる条件を決められます。
例えば、地獄道の場合はどの地獄になるか、畜生道であれば食う者と食われる者のどちらになるか、人間道なら豊かな国か貧しい国かなど、生まれ変わる場所や存在についての条件が決められる場です。生まれ変わった世界で、正しく修行を積むように伝えてくれるといわれています。

七七日の意味

七七日には、薬師如来によって最終判決が下されます。生まれ変わった後、故人様が男女どちらになるか、寿命がどの程度になるかなども決定されるそうです。これまで受けた裁きの結果をもとに、来世でどのような世界に行くかが決まる、重要な日だといえるでしょう。

七七日はもっとも大切な最後の裁判であるため、親戚中の人々を集めて大きな応援を送る必要があります。そのため、四十九日法要が重視されているわけです。このような理由があるため、四十九日には多くの人々が集まって、法要を行う習慣があるのでしょう。

もし、ここでも決まらなかった場合は、百箇日に観音菩薩、一周忌に勢至菩薩、三回忌に阿弥陀如来によって、追加審理が行われます。

仏教における四十九日法要の目的と輪廻転生

仏教において、生死は繰り返すとものとされており、輪廻転生(りんねてんしょう)と呼ばれるサイクルから抜け出すことが1つの目的とされています。

四十九日法要は、故人様の魂が次の転生において善良な道を選び、より高い成仏を遂げることを願うものです。

輪廻転生とは

輪廻転生とは、仏教やヒンドゥー教などで信じられている「魂や意識が死後、別の存在に転生する」という信念です。個々の生命は生まれ変わりながら、無限に続くサイクルの中で経験を積んでいくものと信じられています。

つまり、生命は死後に終わるのではなく、新たな存在として再生するという考え方が輪廻転生です。この考え方によれば、魂や意識は肉体に縛られることなく、死後も別の生物体に転生できます。

カルマと因果応報

輪廻転生の過程では、カルマ(業、行い)と因果応報が重要な概念です。カルマとは、行った行為による「業」のことをさします。善行によって良いカルマが積まれるといわれ、悪行によって悪いカルマが積まれる点は特徴です。

因果応報とは、行った行為の結果が必ず返ってくるという法則を意味します。つまり過去の行いによって、現在の生まれ変わりの状態が決まるという考え方です。

輪廻転生を経験する生命のサイクルを「サンサーラ」と呼びます。サンサーラは、生まれ変わりの輪廻を無限に続けるものです。サンサーラの中における生死のサイクルは、苦しみや喜び、悲しみ、幸福など、さまざまな経験をもたらします。

解脱について

輪廻転生のサイクルから解放されることを「解脱(ニルヴァーナ)」と呼びます。仏教では、輪廻転生からの解脱が修行の目的です。カルマを浄化し、無我の境地を実現することが重要な目標とされます。

ニルヴァーナは永遠で平和な境地であり、サンサーラの苦しみから解放されるといわれています。

四十九日法要の意味

ここまでの説明を踏まえ、四十九日法要には、どのような意味があるのかを整理します。

中陰(ちゅうおん・ちゅういん)の期間を終える意味

仏教では、四十九日間の期間を「中陰」と呼びます。故人様の魂が、死後の世界でさまざまな試練を経験する期間です。したがって、四十九日目に行われる法要は、中陰の期間を終え、次の転生へと魂が旅立つことを意味しています。

冥福を祈る意味

四十九日法要では、故人様の魂の冥福を祈ることがおもな目的です。冥福とは、魂が次の世界で苦しみから解放され、穏やかな状態に至ることをさします。四十九日法要の参列者は、故人様の魂が穏やかで安らかな状態に至るように祈り、その冥福を願います。

ご遺族や参列者への慰めの意味

四十九日法要は、ご遺族や参列者にとっても慰めとなる重要な儀式です。故人様の冥福を願うことによって、悲しみや喪失感を和らげる効果が期待できます。また、故人様の魂が安らかな旅立ちを果たすことにより、ご遺族や参列者も心に平穏を取り戻せることでしょう。

四十九日法要の準備

四十九日法要を行うためには、準備が必要です。ここでは、四十九日法要に必要な準備について解説します。

法要の場所の準備

四十九日法要は、故人様のご自宅や寺院などで行われます。まず、法要を行う場所を決定しなくてはいけません。自宅法要で仏壇がある場合は、その周囲を飾り付けることで、法要の厳粛な雰囲気を演出できます。仏壇がない場合は、写真やご遺骨の周りに装飾を施します。寺院で行う場合も、お花やお供え物で会場を装飾することが必要です。

位牌・写真の準備

葬儀で使った白木位牌から黒塗りの本位牌を用意し、写真を準備します。位牌や写真は、法要の中心といえる存在であり、参列者が故人様に対して思いを馳せる大切な要素です。

線香やお供え物の準備

参列者用に、線香や焼香を準備します。また、故人様に供えるためのお供え物も用意しましょう。一般的には、果物やお菓子、花などが用いられます。これらの供物は、ご家族や参列者が、故人様に対する感謝の気持ちを表す物です。

参列者への案内

四十九日法要の日時や場所、参列方法などについて、関係者やご友人に対して事前案内を行います。特に、ご親族や親しい人々には、必須で参列してもらえるように調整が必要です。

僧侶の手配

四十九日法要では、僧侶による法要が実施されることは多いです。菩提寺で行う場合は、ご住職に日程を相談し、法要の日時を決定します。菩提寺がなく、ご自宅や葬儀場で行う場合は、参列者の予定や葬儀場の都合をうかがったうえで、日程を決めましょう。

僧侶は法要において、故人様の冥福を祈る読経や説法を行います。これらの準備が整えば、四十九日法要を適切に執り行うことが可能です。

ただし、地域や宗派によって細かな違いがあるため、寺院、葬儀会社などに相談して準備を進めることをおすすめします。四十九日法要は、故人様の魂の安らかな旅立ちと冥福を願う重要な儀式であるため、心を込めて行うことが大切です。

四十九日法要の流れ

一般的な四十九日法要の流れは、以下のとおりです。

1.開式:法要の始まりに僧侶が参列者に挨拶し、法要の目的と意義を説明します。
2.読経:僧侶が経典(お経)を唱え、故人様の魂の冥福を祈願します。
3.焼香:参列者が故人様への思いを込めて供えます。
4.法話:僧侶が参列者に対して、仏教の教えに基づいた説法を行います。
5.埋葬:お墓がある方は、そのまま納骨することが一般的です。墓前での読経をし、お線香を供えます。
6.会食:施主より食事を振る舞い、参列者の労をねぎらうとともに、忌明けを意味し翌日から通常の生活に戻っていきます。

まとめ

四十九日法要は、仏教における故人様の冥福を祈る儀式であり、中陰期間を終え、魂が次の転生へ旅立つ意味を持ちます。故人様の生前の行いに関する裁判が行われ、その結果によって魂の行く先が決まります。

また、仏教においては、生死のサイクルからの解脱を目指す重要な期間であり、ご遺族や参列者にとっての慰めにもなります。故人様の冥福と平穏な旅立ちを祈る重要な行事が、四十九日法要です。

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