十三回忌とは?仏教的背景や必要な準備、お布施の相場などをご紹介

2023.10.24

十三回忌法要は、故人様が亡くなってから10年以上経過した後に開催されます。そのため、これまで参列したことがない方もいるかもしれません。しかし、他の法要と同様、十三回忌法要は故人様やご家族、ご遺族にとって重要な儀式です。

法要を行うためには準備が必要になるため、いざというとき慌てないように適切な知識を得ておきたいところでしょう。そこで今回は、十三回忌法要がどのような法要なのか仏教的な背景から解説しつつ、実施するために必要な準備や当日の流れ、お布施の相場、参列時のマナーなどをご紹介します。

十三回忌とは?仏教的背景から解説

十三回忌とは、故人様が亡くなってから12年目の年に執り行う法要をさします。数字にずれが生じるのは「数え年」で行われるためです。

回忌法要(年忌法要)は仏教が生まれたインドには存在せず、中国から日本に仏教が伝来した後、中国の仕組みを変更して作られた制度といわれています。回忌を重ねることで修業を積み、仏と一体となるそうです。

十三回忌において、故人様は宇宙の真理にあたるとされる大日如来と一体になるといわれています。

死者の供養

日本人は昔から亡くなった方の供養を大切にしてきた民族だといえます。中陰の七仏事はインドが起源です。

中陰の七仏事とは、仏教において故人が亡くなってから49日間の間、7日ごとに行われる法要です。この期間は「中陰」と呼ばれ、故人様が次の生を受けるまでの過渡的な存在であり、来世への旅立ちが決まる時期といわれています。

中陰の七仏事は、以下のとおりです。

・初七日(しょなのか):故人様が亡くなってから7日目に行われる法要。葬儀当日に還骨勤行と合わせて行うことが多い

・二七日(ふたなのか):14日目に行われる法要。以芳忌(いほうき)とも呼ばれる

・三七日(みなのか):21日目に行われる法要。洒水忌(しゃすいき)とも呼ばれる

・四七日(よなのか):28日目に行われる法要。阿経忌(あぎょうき)とも呼ばれ

・五七日(いつなのか):35日目に行われる法要。小練忌(しょうれんき)とも呼ばれ、省略されることもある

・六七日(むなのか):42日目に行われる法要。檀弘忌(だんこうき)とも呼ばれる

・七七日(しちしちにち)または四十九日(しじゅうくにち):もっとも重要な法要であり、故人様はこの日を迎えて来世へ旅立つ。僧侶がお経を上げ、供養を行った後に会食をする

その後、中国に仏教が伝わって百七日、一周忌、三回忌、の三仏事が加わり十三仏事となりました。さらに日本で七回忌、十三回忌、二十五回忌が加わり十五仏事となったそうです。

しかし、一般的には十五仏事は一般化されているとはいえません。二十三回忌、二十七回忌などに回忌法要を営むこともあります。七回忌の後が十三回忌である理由は、七回忌の七年目であるため、それに続く十七回忌が「七」の数字がつくからだそうです。

仏教における中陰

インドでは、人は輪廻転生(りんねてんしょう)すると考えられていました。輪廻転生とは、魂が生まれ変わりを繰り返すことを意味する仏教用語です。

仏教では、人が誕生する瞬間が「生有(しょうう)」、生きている間が「本有(ほんう)」、死の瞬間が「死有(しう)」と呼びます。亡くなって次の生を得る間の期間を中有(ちゅうう)、または中陰と呼び、その期間が四十九日間だそうです。

満中陰とは四十九日間が終わることを意味しており、仏教の教義において、この期間が重要な意味を持っています。死者の魂はこの期間を通じて、過去の行いやカルマに応じて次の生まれ変わりを準備し、新たな存在へと移行するといわれているためです。

四十九日間は死の穢れが強い時期ということで、ご遺族は祭りなどに参加することなく、謹慎して家にこもります。これが「忌中」です。四十九日が過ぎると「忌明」となり、日常生活へ戻ることが可能です。

十三回忌法要の実施に必要な準備

十三回忌法要を実施するためには、さまざまな事前準備が必要です。ここでは、おもに必要となる準備をご紹介します。

十三回忌法要の日程と会場を決定

十三回忌法要は、故人様が亡くなってから10年以上経過しているため、ご遺族やご家族だけで法要を行うケースも増えました。

十三回忌法要の日程を決めるときのポイントは、以下のとおりです。

命日から数える

十三回忌法要は、故人様の命日から数えて行います。命日が平日であれば、前倒しで土日祝日に執り行うことも多いです。

参列者の都合

参列者の都合を考慮して日程を設定しましょう。命日よりも前の土日祝日に行うことが一般的です。

挨拶文と案内状

日程が決まったら、参列者へ案内状を送付する準備をします。身内のみで営む場合は、電話やメールでの連絡でも構いません。ただし、参列者が多く集まる場合は、案内状を出し、出欠確認をおこなわなくてはいけません。故人様との関係、家庭の事情を考慮して慎重に決める必要があります。

ご家族やご親戚のみで実施する場合は、故人様の友人や知人に「家族だけで法要をする旨」を伝える案内状を出しましょう。趣旨の説明と感謝の言葉を忘れないことが大切です。

なお、十三回忌法要を実施する場所は、寺院や斎場、自宅、近年はレストランやホテルなどさまざまです。

僧侶への連絡

十三忌法要の日程が決まり次第、早い段階で僧侶に連絡して読経をお願いしましょう。また、このとき会食に同席できるかどうかも確認が必要です。

菩提寺がすでにある場合は、菩提寺にそのまま依頼します。日程を伝えて会場を予約し、読経をお願いすれば手間がかかりません。

自宅で法要を実施する場合に必要な準備

十三回忌法要を自宅で執り行う場合は、仏壇を飾ります。打敷(金襴で織られたきらびやかな布で、仏壇に置かれる卓の天板の下に挟んで使用)を敷いて、五具足で行うのがマナーです。

香炉を中央にし、その左右に燭台、外側の左右に花立てを置きます。供物は仏飯、餅、菓子、果物などです。故人様の位牌、過去帳を仏壇の最下段に安置します。参列者の供物は、仏壇の両脇などに白布で覆った小机を用意し、そちらに置きましょう。

お布施の準備と相場

お布施とは、僧侶に渡す謝礼の金銭のことです。また、仏教においては「人に物を施しめぐむ」だという意味もあります。お布施はご本尊に捧げられ寺院の大事な費用になるため、僧侶に対する感謝の気持ちとともに準備することが必要です。なお、お布施は「支払う」ではなく、「包む」もしくは「納める」という表現を用います。

具体的なお布施の相場は宗派や地域によって異なりますが、一般的なものは以下のとおりです。

・お布施: 一般的に1万円から5万円程度が相場です。具体的な金額は決まっていませんが、菩提寺に尋ねても問題ありません。
・御車代: 僧侶が自宅まで来る際に別途御車代が必要です。通常は5,000円から1万円程度が一般的です。遠方から呼ぶ場合は、かかる金額分に多少上乗せして渡すこともあります。
・お膳代: 僧侶が自宅での会食に参加しなかった場合にお渡しするものです。一般的に僧侶1人あたり5,000円から1万円程度が妥当です。

お布施を準備する際には、金額に4や9という数字が含まれないように注意しましょう。これらの数字は「死」や「苦」を連想させるため、弔事の場では避けるべきです。

お布施を渡すときは、奉書紙もしくは封筒に包んで渡すのがマナーです。しかし近年、多くの方は封筒で渡します。すでに印字がされているお布施用の封筒が販売されているため、そちらを利用する方が多いです。

お斎(法事後の会食)の準備

十三回忌などの法要を実施した後には、会食が催されることが一般的です。会食は、法要の施主側が準備しなくてはいけません。会食は自宅やレストラン、宴会場などで行います。適切な広さと雰囲気を考慮して適切な場所を選びましょう。

また、会食の費用は初盆や一周忌、親族以外の関係者が集まる場合は5,000円から10,000円程度が相場です。お寺で法要のみ行い、周辺の店舗で実施する場合は、3,000円程度に収めることも可能でしょう。

食事の献立は、故人様の好みや地域の習慣に合わせて選ぶことが一般的です。ご家族の希望に沿って、故様人が好んでいた料理や特別な食材を含めることが大切です。また、仏仏教的な意味合いから、肉料理を控えることもあります。

食事の中で、仏壇や仏前に供える料理を用意します。これらの料理は、まず故人様のために供えられ、その後に参加者が食べるものとされています。会食は、静かで敬虔な雰囲気の中で進行されることが求められます。会話は控えめにし、故人様を偲ぶ心を大切にしましょう。

返礼品の準備

参列者が持参する御仏前や御供えに対して、法事後に返礼品を準備することが必要です。
返礼品には他の法事と同様、消え物やタオルなど、すぐに消費できるものがよく利用されます。通常は会食後に渡すため、前日または当日に品物を準備しなくてはいけません。近年は、ギフトショップから直接送ることも可能です。

のし紙は「十三回忌志」や施主の姓を入れて用意します。水引きは黒白結び切り、または蓮の絵柄を用いるのがマナーです。挨拶状は基本的には必要ありませんが、お気持ちとして付けたい場合に内容を考えましょう。

返礼品の相場は、3,000円~5,000円程度が一般的です。併修で他の法要も行う場合には、その分増えることもあります。

十三回忌法要の流れ

十三回忌法要における当日の流れは、以下のとおりです。

・僧侶の入場
・施主の挨拶(開始の挨拶)
・僧侶の読経
・参列者の焼香
・僧侶の法話
・会食
・僧侶の退場

宗派や地方によって若干内容や順番は異なる場合があります。

まずご家族やご遺族が着席し、僧侶を迎え、読経、焼香、法話が行われます。自宅で行う場合は、ご家族が会食の準備をしていて席につかないこともありますが、本来はそろって参列するのがマナーです。

法要が終わると会食となります。施主が挨拶した後、食事が始まります。このとき、僧侶を上席とし家族は末席となるように座席を決めておきましょう。

十三回忌法要における服装と香典のマナー

十三回忌法要に参列する場合には、服装のマナーに注意しつつ、香典を準備して参加する必要があります。ここでは、十三回忌法要における服装と香典のマナーを確認しておきましょう。

服装のマナー

十三回忌法要に参列する場合は、略礼服を着用しましょう。年忌法要では、悲しみや敬意を表すために、黒や濃い色の服装が一般的です。無地の服や地味な柄の服が適しています。清潔で整然としていることが大切です。しわや汚れのある服装は避けましょう。

法要は故人様への敬意を表す場なので、肩や膝が露出しないような服装が望ましいです。身につけるアクセサリーや装飾品も控えめなものを選びます。過度な華やかさは避けましょう。

もっとも重要なのは、故人様への敬意や感謝の気持ちを表す服装を選ぶことです。主催者からの案内や指示に従うことが、適切な服装を選ぶためのもっとも確実な方法といえるでしょう。

香典の相場とマナー

香典の相場は、故人様との関係によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。

・実父や実母の場合: 1万円~5万円
・祖父母や兄弟姉妹の場合: 5千円~3万円

会食がある場合は、少し増額することがマナーです。

また、香典は双銀の結びきりの水引に「御供物料」と書いて渡します。香典袋には故人様の名前や法要日を記入し、丁寧に包装して渡すことが一般的です。

最後に……

十三回忌法要は、多くの方にとって非常に大切なイベントです。宗教的な要素が含まれることもあれば、宗教とは関係ない形で行われることもあります。しかし、どちらの場合でも故人様への敬意と感謝の気持ちをもって参列することが大切です。

本記事の内容が、より良い十三回忌法要の実施や参列の一助となれば何よりです。

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